敗北の決まった瞬間、呆然と佇む日本代表のメンバー。最後のキッカーでキャプテンのDF吉田麻也(左から2人目)は「3本外したらさすがにきつい」と唇を噛んだ(写真/共同通信社)

敗北の決まった瞬間、呆然と佇む日本代表のメンバー。最後のキッカーでキャプテンのDF吉田麻也(左から2人目)は「3本外したらさすがにきつい」と唇を噛んだ(写真/共同通信社)

メキシコは“地の利”がある

 次回大会の開催地も日本に有利に働くという指摘がある。2026年W杯は米国、カナダ、メキシコの3か国で共同開催される。これまでのW杯はヨーロッパ、南米での開催が多く、開催国やその周辺国に地の利があった。しかし今回のカタール大会のように、ヨーロッパや南米以外の開催となればアジア勢が再び躍進することが期待できる。

 しかも開催国のひとつであるメキシコは、1968年メキシコ五輪で日本が初の銅メダルを獲得した思い出深い土地だ。同大会で得点王に輝いた元日本サッカー協会副会長・釜本邦茂氏が言う。

「メキシコは2000m近い高地で、気圧の関係で激しい運動をすると息苦しくなりプレーに影響します。僕らは高地対策を徹底して現地に乗り込み、銅メダルを獲得しました。日本はそうした細やかな準備が得意な国なので期待はしたいですね」

 2026年大会はレギュレーションが大きく変わり、出場枠が現行の32枠から48枠に増加する。週刊サッカーダイジェスト元編集長の六川亨氏は展望をこう語る。

「出場枠が増えた分、強豪国同士での潰し合いやジャイアントキリングは起きやすくなるでしょう。また北米大陸のほぼ全域で開催されるので時差を含めた移動が相当にハードで、選手の疲労が蓄積して何が起こるか分からない大会になる」

 日本優勝は決して絵空事ではなさそうだが、W杯を勝ち抜くには、改善すべき課題があることも事実である。まずは「ストライカーの不在」だ。六川氏が語る。

「今大会は前田大然(25)、浅野拓磨(28)という俊足のFWが結果を出したものの、やはり日本にはボールを持ったら前を向き、相手をかわしてゴールする点取り屋がいません。今大会でブレイクした韓国のチョ・ギュソン(24)のようなエースを育てることが大切です。

 また、世界のストライカーと互角に戦うにはハイボールを跳ね返す上背と、相手の動きに対応する俊敏さを兼ね備えたDFも必須です」

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