国内

「岸田総理、そんなに息子がかわいければ、次回総選挙で引退なさい」(評論家・八幡和郎)

首相官邸に入る岸田氏と長男で秘書官の翔太郎氏(時事通信フォト)

首相官邸に入る岸田氏と長男で秘書官の翔太郎氏(時事通信フォト)

 69日間にわたる臨時国会が閉会されるのと前後して、ただでさえ不安定だった岸田文雄首相の足元がガタガタになっている。岸田首相が、自ら打ち出した「防衛増税」について「国民が自らの責任として重みを背負うべきだ」と発言したことに対し、自民党内から「内閣不信任に値する」「乱暴すぎる」といった厳しい批判が巻き起こっているのだ。その岸田首相、自らは長男を首相秘書官にしているだけに“身内に甘く、国民には厳しい”という目で見られても仕方がない。元通産官僚で評論家の八幡和郎氏が、世襲だらけの自民党について指摘する。

 * * *
 岸田政権の閣僚辞任ドミノが続いた。山際大志郎経済再生担当相、葉梨康弘法務相、寺田稔総務相と一か月に三人もの閣僚辞任は異例だった。秋葉賢也復興大臣も危なかったが、会期切れでなんとか乗り切った。

 安倍元総理の銃撃事件への怒りと同情を参議院選挙の勝利に結びつけた岸田政権だが、旧統一教会や国葬の処理で躓いたあとは凋落を続ける一方だ。特に、岸田首相自身への攻撃が始まるきっかけになったのは、10月4日に長男で公設秘書の翔太郎氏を首相秘書官としたことだ。

 拙著『日本の政治「解体新書」:世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』では、世襲代議士の盤踞がいかに自民党をダメにしているかを論じている。

 なにしろ、橋本龍太郎首相以降の自民党から出た8人の首相を見ると、父親のすべてが政治家である。菅義偉の父のように地方議員のケースもあるが、橋本、小渕恵三、小泉純一郎、安倍晋三、岸田文雄については、父親が現職代議士のまま死んだので若くして世襲候補として立候補し、若くして代議士になっている。

 いまや日本で総理になる最も重要な条件は、「国会議員の子に生まれて、父親が早死にすること」なのである。

 しかし、岸田首相は外相を五年間もつとめてもびくともしなかったほど身体は頑健だから長寿間違いない。ならば、小泉元首相が、2009年に67歳で議員を引退して、同年の衆院選挙で次男の進次郎氏(当時28歳)に議席を譲ったのに倣って、次回の総選挙では、翔太郎氏に議席を引き継がせたらいい。

 小泉進次郎はこの奇策のおかげであっという間に総理候補と言われるようになった。まして、元総理秘書官の肩書きと経験があれば、出発点において進次郎氏より有利な立場になる。

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン