芸能

今や風物詩?ジワジワ増える師走の「音楽特番」と「警察特番」、テレビ局の切実な事情

工藤静香は厳しく接してきたという(時事通信フォト)

工藤静香は『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2022』、『第73回NHK紅白歌合戦』にも出演予定(時事通信フォト)

 テレビ各局がさまざまな特番を投入していく年末。近年、ジワジワと増えているのが「音楽特番」と「警察特番」だ。この2つのタイプの特番が増加している背景とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 12月は各局が一年で最も特番を放送する時期。上旬から少しずつ放送がはじまり、秋ドラマが最終回を迎え、『M-1グランプリ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が終わり、いよいよ特番ラッシュがスタートします。

 なかでも特にこの時期で目立つのは、音楽特番と警察特番の2つ。近年ジワジワと増えていましたが、今年もジワジワと増えているのです。下記にゴールデン・プライム帯で放送される特番をあげていきましょう。

 まず音楽特番は、3日の『日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト』(日本テレビ系)、7日の『FNS歌謡祭 第1夜』(フジテレビ系)、14日の『FNS歌謡祭 第2夜』(フジテレビ系)、15日の『NHK MUSIC SPECIAL』(NHK)、17日の『明石家紅白』(NHK)、18日の『これが定番!世代別ベストソングミュージックジェネレーション』(フジテレビ系)、19日の『CDTVライブ!ライブ!クリスマス4時間SP』(TBS系)、22日の『歌唱王2022~全日本歌唱力選手権~』(日本テレビ系)、23日の『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2022』(テレビ朝日系)、28日の『発表!今年イチバン聴いた歌 年間ミュージックアワード2022』(日本テレビ系)と『NHK MUSIC SPECIAL』(NHK)、29日の『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ~私を支えた歌詞SP 2022~』(TBS系)、30日『第64回輝く!日本レコード大賞』(TBS系)、31日の『第55回年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)と『第73回NHK紅白歌合戦』(NHK)。

 NHKが4、日本テレビが3、TBSが3、フジテレビが3、テレビ朝日が1、テレビ東京が1の計15。なかでも日本テレビは『ベストアーティスト』を12年ぶりの12月放送に踏み切り、新たに『年間ミュージックアワード2022』を手がけるなど動きを見せています。

 次に警察特番は、9日の『警察特捜』(日本テレビ系)、24日の『列島警察捜査網THE追跡 2022冬の事件簿』(テレビ朝日系)、26日の『最前線!密着警察24時 年末特別警戒SP』(TBS系)、29日の『激録・警察密着24時!!』(テレビ東京系)。

 これまで主に年明け・春・夏の放送だった『列島警察捜査網THE追跡』が12月に移動しました。11月27日に『逮捕の瞬間!警察24時』を放送したフジテレビも含め、民放全局が年末に警察特番を放送していることがわかるでしょう。

時代の流れとメリットに各局が反応

 ではなぜ12月にこれほどの多くの音楽特番と警察特番が放送され、いまだにジワジワと増えているのでしょうか。

 まず音楽特番ですが、2010年代から音楽番組は「1時間のレギュラー放送では視聴率が獲れないが、季節ごとの長時間特番なら高視聴率が期待できる」と言われ、ジワジワと増えていました。

 さらに一昨年の視聴率調査リニューアル以降、各局がコア層(13~49歳)に向けた番組制作に舵を切ったことで、音楽は重要ジャンルの1つとして浮上。また、「TikTokで昭和・平成の歌が若年層にブームになっている」などの理由もあり、「家族そろって見られる特番を作るのなら音楽が一番いい」という流れが生まれています。

関連記事

トピックス

手指のこわばりなど体調不安を抱えられている(5月、奈良県奈良市
美智子さま「皇位継承問題に口出し」報道の波紋 女性皇族を巡る議論に水を差す結果に雅子さまは静かにお怒りか
女性セブン
ちあきなおみ、デビュー55周年で全シングル&アルバム楽曲がサブスク解禁 元マネジャー「ファンの声が彼女の心を動かした」
ちあきなおみ、デビュー55周年で全シングル&アルバム楽曲がサブスク解禁 元マネジャー「ファンの声が彼女の心を動かした」
女性セブン
菅原一秀(首相官邸公式サイトより)と岡安弥生(セント・フォース公式サイトより)
《室井佑月はタワマンから家賃5万円ボロビルに》「政治家の妻になると仕事が激減する」で菅原一秀前議員と結婚した岡安弥生アナはどうなる?
NEWSポストセブン
「マッコリお兄さん」というあだ名だった瀬川容疑者
《川口・タクシー運転手銃撃》68歳容疑者のあだ名は「マッコリお兄さん」韓国パブで“豪遊”も恐れられていた「凶暴な性格」
NEWSポストセブン
民主党政権交代直後の政権で官房長官を務めた平野博文氏
【「年間約12億円」官房機密費の謎】平野博文・元官房長官 民主党政権でも使途が公開できなかった理由「自分なりに使い道の検証ができなかった」
週刊ポスト
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン
「滝沢歌舞伎」でも9人での海外公演は叶わなかった
Snow Man、弾丸日程で“バルセロナ極秘集結”舞台裏 9人の強い直談判に応えてスケジュール調整、「新しい自分たちを見せたい」という決意
女性セブン
亡くなったシャニさん(本人のSNSより)
《黒ずんだネックレスが…》ハマスに連れ去られた22歳女性、両親のもとに戻ってきた「遺品」が発する“無言のメッセージ”
NEWSポストセブン