国際情報

中国軍、軍備の高性能化に人材育成が追いつかず 兵器が兵士の能力向上を待つ状況に

ハイテク兵器を操作する人材の育成が追いついていないという

ハイテク兵器を操作する人材の育成が追いついていないという

 中国人民解放軍は近年、高性能兵器の開発を大きく前進させたものの、軍内ではこれらのハイテク兵器を操作する人材の育成が追いついていないという。そのため、多くの高性能兵器の持てる威力を発揮できず、兵器が兵士の能力が向上するのを待つ奇妙な現象が起こっている。これは中国人民解放軍機関紙「解放軍報」が報じたもので、同紙が軍の問題点について、率直に論評するのは極めて異例といえる。

 同紙は、中国軍北部戦区海軍のフリゲート艦の副艦長が新鋭艦の設備や軍備に対応できず、艦長に昇進するための実務試験に数年間、合格できなかった状況をルポルタージュ風に描写。中国海軍の人材育成が急速な装備の近代化に追いついていないというジレンマが垣間見える報告となっており、

「中国の国力上昇に伴い、中国人民解放軍も近年『富国強兵』を掲げ、全面的な軍備の近代化を急いでいるが、艦船の軍備の性能が年々進歩しているためそれに対応した人材育成が遅れがちで、高度人材の養成が急務となっている」

 と報じている。自動化やIT化が進んだ新しい艦船を扱うには、多くの乗組員が初歩的なレベルから訓練を受け直さなければならない状況だというのだ。

 このような現状についてはすでに指導部でも危機感が深まっており、中国人民解放軍の最高指導者である習近平・中央軍事委員会主席(国家主席兼党総書記)は、 昨年10月の第20回中国共産党大会での政治報告の中で、「中国軍は世界最高水準の戦闘力を構築する必要がある」と述べたうえで、軍の高度人材の育成の必要性を改めて表明している。

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン