──坊主頭も、そのキャラクターに合わせて変えてるんですね。
江川:そのキャラクター作りにかかわることですから。たとえば武田信玄さんは髭があって、ごっつい感じの人っていうイメージですから、気持ちちょっと頭のてっぺんを軽く尖がらせた感じがいいっていうふうに作ります。でも、演出サイドで「別にそこはノーマルでいいよ」っていうことであれば、普通に丸く作って、他のところでいろいろなメイクをほどこします。
【プロフィール】
江川悦子(えがわ・えつこ)/1954年生まれ、徳島県出身。出版社でファッション誌の編集をした後、夫の海外赴任に伴い退社。1980年、特殊メイクの学校Joe Blasco make-up Centerへ入学。『メタルストーム』『砂の惑星・デューン』『ゴーストバスターズ』などの映画にスタッフとして参加。帰国後、特殊メイク制作会社メイクアップディメンションズ設立。映画、ドラマ、CMの特殊メイクを多数担当。
【聞き手・文】
春日太一(かすが・たいち)/1977年生まれ、東京都出身。映画史・時代劇研究家。
※週刊ポスト2023年2月3日号