芸能

大河ドラマ『麒麟がくる』の特殊メイク 坊主頭の「青み」で年齢を表現する職人技

特殊メイクの第一人者・江川悦子氏

特殊メイクの第一人者・江川悦子氏

 特殊メイクの第一人者である江川悦子氏は近年ではNHK大河ドラマのメイクも担当。二〇二〇年の『麒麟がくる』では、斎藤道三(本木雅弘)のリアルな坊主頭を作り上げた。それはいかにして作られたのか、特殊メイクの第一人者・江川悦子氏に、映画史・時代劇研究家の春日太一氏が聞いた。

 * * *
江川:道三は、「青剃り」の色のつけ方で工夫しました。かつらの下地にラテックス製の羽坊主キャップで頭を覆った後、細かく彩色して頭皮をリアルに表現しますが、その場合、若い人だとしっかり青く入れるんです。そしてだんだん歳を重ねて毛が抜けた人というのは頭皮もほぼ肌色ですよね。そういうふうに色を変えます。年齢が上がるほど、より肌色っぽい感じで青剃りは少なくするとか、青剃りの色のつけ具合で表現しています。

──すごい! そこまで考えられているんですね。

江川:そうしないと違和感が出るんです。みんな同じように青い色をつけてしまうと、年齢がいってる場合は全く合わないんです。そういう色のつけ方が、結局はリアリティっていうことになりますから。

──同じ坊主頭でも、人物の年齢や状況で毛根のあり方を変えているわけですね。

江川:若いのに毛根がないと弱々しかったりして、違和感があったりしますから。でも、弱々しい病気っぽい役で坊主だったりする場合は薄くてもいいかなとか。その役と連動するものもありますね。

──坊主キャップは俳優さんの頭の形に合わせて作られるのですか?

江川:すっぽり覆って首ぐらいまで貼るので、後頭部は多少こちらで作ります。盆の窪あたりの凹み、でっぱりの部分は少し作ってあるんですよ。あまりに丸っぽい、ツルンツルンの頭だと、それはまた嘘っぽくなってしまうので。

 そういう部分もできるだけリアルにさりげなく表現しています。といって、あんまりぼこぼこするとおかしいので、そこはやりすぎない程度にやっています。

 その一方で、すごくゴツゴツした感じのキャラクターがいたときは、わざとそこをシャドーとハイライトで目立たせてみたりとか。

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン