2006年から山間部の一軒家でひとり暮らしになったという門田氏
そんな門田氏は2006年から山間部の一軒家でひとり暮らしになったという。誰も知らない静かなところで療養する目的だった。「これからどう過ごすのか」という質問に、門田氏はこう答えていた。
「残り時間のことか? どうかな……。“今の門田博光”として毎日を過ごすことかな。うちには現役時代のトロフィーや野球道具はひとつもない。昔を振り返るとしんどくなるんです。(過ぎ去ったことを悔やむなという)仏教の教えみたいな心境やけど、坊さんになればなかなかの説教はできると思うよ」
そう言って笑っていた。門田氏が人生をどう総括して旅立ったのかはわからないが、その生き様に胸を熱くしたファンが多くいるのは間違いない。
※週刊ポスト2023年2月10・17日号