電車で「腰ゆらし」
冬では入浴が貴重なリカバリータイムになる。
「熱い風呂に肩までつかるとのぼせたり、血圧が上昇して心臓などの循環器系の負担になりかねない。ただ、腰痛は基本的に体を温めたほうが改善するのは確かで、腰の上あたりまで浸かる半身浴を30分することを勧めます。
体の洗い方にもコツがあり、タオルの両端を持って乾布摩擦するように背中をゴシゴシ洗うのがポイント。上半身の柔軟性が高まり、腰への負担が減ります」(園部氏)
とにかく腰を冷やさないことが腰痛対策では重要だ。古典的だが腹巻きをしたりカイロを貼るなどして、腰を常に温めるのも効果的。散歩やウォーキングは腰痛改善効果が期待できるものの、歩き方には注意したい。
この時期は寒さに震えて前屈みでチョコチョコと歩いてしまいがちだが、これはNGだという。
「姿勢が不安定だと躓いて転倒する可能性もあります。頭のてっぺんを天井から吊るされているイメージで真っ直ぐに立ち、腕を90度に曲げて大きく振って、腕の振りで自然に歩幅が出るのが理想的な歩き方です。ただし、大股になりすぎると腰の振りが大きくなり、負担が増すので注意が必要です」(同前)
電車で立つのも有効だと園部氏は言う。
「正しい姿勢であれば、実は座るよりも立っているほうが腰の負担は少ないことが多いんです。足を肩幅に開いて、真ん中に重心を置くようなイメージで立ちましょう」(同前)
銅冶氏は電車に乗りながらの「腰ゆらし」で腰痛を改善できると指摘する。
「乗車した際は、背骨を意識しながら2~3回腰をそらしたり戻したりしましょう。この『腰ゆらし』で腰の筋肉の緊張がうまくほどけるんです。つり革につかまりながら行なうとぐっと体重の負担を減らせます」
2~3回を1セットとして10セットが目安だという。