ワクチン後遺症に関するアンケート
鉄分とビタミンD群の不足がトリガーに
「女性79.9%、男性19.9%」──これはツイッターで実施されたワクチン後遺症患者412人を対象に行ったアンケート回答者における男女の割合だ(2023年2月7日現在の結果)。後遺症の症状に苦しむ当事者たちがインターネット上で情報収集や意見交換をする「新型コロナワクチン後遺症患者の会」の会員数も女性195人に対して男性68人と圧倒的に女性が多い。
現場で診療にあたる医師たちも「女性比率の高さ」を実感している。接種後の体調不良について有志の医師たちが情報共有する「ワクチン後遺症研究会」を立ち上げ、積極的に診察にあたっている、蒲田よしのクリニック院長の吉野真人さんが指摘する。
「症状そのものにはさほど大きな性差がないものの、接種後の体調不良で当院に来る患者の7割以上は女性です。現場から見ても、後遺症に苦しんでいるのは圧倒的に女性が多いといえます」
ワクチン後遺症患者を診察する、大阪肛門診療所副院長の佐々木みのりさんも声を揃える。
「もともと当院の患者は7〜8割が女性で、母集団として多いこともありますが、それでも接種後の体調不良を訴えるのは女性ばかりです。しかもその傾向はうちの病院だけではない。同じく後遺症の診療にあたるほかの医師たちからも、女性の患者が大半を占めていると聞いています」
彼女たちが訴えている主な症状は倦怠感や頭痛、めまいなど多岐にわたる。実際に、吉野さんが後遺症治療にあたる医師36人を対象に行ったアンケートによれば、全身倦怠感、頭痛、めまい、しびれの順に頻出度が高かったというが、それらはいずれも女性の更年期障害にみられる症状と共通点が多い。
「ほかにも更年期障害の代表的な症状である動悸や息切れを訴える人も多かった。本当はワクチン後遺症かもしれないのに、更年期障害による体調不良と思い込んでいる女性も少なくない。彼女たちに『ワクチン後遺症の可能性がありますよ』と告げると、みなさん驚かれます」(吉野さん)
加えて顕著なのは、思考力や集中力が低下する「ブレインフォグ(脳の霧)」や記憶力低下、憂うつ感といった脳やメンタルにかかわる疾患も多くみられることだ。なぜ、こうした症状が女性に多く発現するのか。謎を解くひとつのカギはワクチンの性質にある。