「清原さんは後遺症と闘っている」
清原氏と水野氏の付き合いは約8年になるという。水野社長が語る。
「名古屋で20年ビジネスをやっていますから、そりゃ色々と付き合いはございます。元々は僕も小学生の頃からずっと野球をやっていて、清原選手のようになりたくてバットを振っていましたから、そんな方と親しくなれたことは本当に嬉しいことです。ただ、僕は清原さんに対して一切遠慮もしないし忖度もしません。そんな僕のスタンスを気に入ってくださったんだと思います。
僕がお願いして、会社のイベントに協力してもらったこともあります。去年のクリスマスには赤いサンタの格好をした清原さんが赤いフェラーリに乗って登場し、ショッピングモールに来る子供たちにお菓子を配るイベントに出てもらいました」
清原氏も水野社長を慕って東京から名古屋に出向くこともあるようだ。
「清原さんは今、薬物の後遺症もあってうつ病と闘っています。ゴルフや食事などで遊ぶことが多いですが、うつ病で辛くなった時は清原さんが東京から名古屋にやってきて、じっくり彼の悩みを聞くこともあります。
清原さんは『悪いなあ、こんな話に付き合ってもらっちゃって』なんて言うので、そういう時は『そんなの当たり前だ!しっかりしろよ』なんて軽口で返しています。清原さんも『調子に乗るなよ、年上に対してそんな口聞くな』と笑ってくれますよ(笑)」
「これからも付き合っていきたい」
清原氏は過去の栄光はもちろん、薬物についてメディアで大々的に取りあげられた時期もあった。企業の代表として、清原氏と付き合うことにためらいを感じたことはないのかと問うと水野社長はこうキッパリと答えた。
「まったくありません。もちろん企業の代表として、薬物に関わった人間と付き合うとリスクがあると考える人もいるでしょう。でも僕にとってそんなことは関係ない。人間は何歳でもやり直せると思っているし、そういう社会であってほしい。悪いことをしたのは本人が一番わかっているので、その気持ちを大事にしてあげたい。だから長年付き合わせていただいていますし、これからも友人として一緒にいたいです」
清原氏の表彰の陰には、社会復帰を支えてきた “135億円社長”との知られざる友情があった。
取材・文/河合桃子(ライター)
※週刊ポスト2023年3月10・17日号