『Goro Noguchi Concert Tour 2023〜life is a gift〜』は今後、4月29日に行われる愛知県芸術劇場大ホール含め4会場で開催される
そう、どの年代の、どんなジャンルのかたに対しても垣根を作らず接し、まさに“音”を“楽”しんでこられた五郎サンが、QRコードをスマホに読み込ませて、音楽コンサートやライブの映像などをデジタル配信するサービス(『テイクアウトライブ』)の発案者であることはご存じですか? 2013年のことです。これは、路上ライブでCDを手売りしている若手ミュージシャンを見て、「若い子たちに音楽に集中できる時間を作ってあげよう」と考え、“観客がライブの感動を持ち帰る”という着想から誕生したアイディア。年齢を重ねても柔軟性にあふれ、アップデートし続けている五郎サンなのでした。
常に音楽にかかわり続けてきたからこそ、歌唱力は衰え知らずなのです。ご自身でも、オリジナル曲を3曲続けて歌うのは「大変」だとおっしゃる通り、『甘い生活』も『私鉄沿線』も、五郎サンの曲はサビの高音が印象的。それが昔と変わらず出ているし、伸びがあるし、声量も若い頃のままなのですから驚きました。
しかも10代の頃は「意味がわからなかった」という恋や別れの機微が綴られた歌詞のすべてが「理解できる」年齢になったからこそ観客を1曲ごとに異なる歌の世界に誘い、ハートを掴む五郎サンなのでした。
特に圧巻だったのは、作詞家の麻生香太郎さん(享年65)と作曲家の東海林修さん(享年85)の傍らで、若かりし日の五郎サンが紡いだ感情を楽曲にしたオムニバス。エンターテインメントや人生への想いが会場を埋め尽くしたファンの皆さんお一人おひとりに伝わったと思います。もちろん私にもです。
スタッフTシャツを着た奥さまの三井ゆりサンは「もうすっかり裏方で」
とにかく終始パワフルだったのですっかり忘れていましたが、五郎サンは2019年2月、同じオーチャードホールで行ったコンサートのMCで、初期の食道がんが見つかり、手術したことをステージ上から報告されています。当時は俳優としてドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)に出演されていた頃。同作の撮影の合間を縫って入院、手術をされていたのです。
この“病歴”を一切感じさせない力強さと若々しさとカッコよさには、五郎サンより2学年下と同年代の私も終始驚かされました。
学年といえば昨年、五郎サンは桑田佳祐サン(67才)からの呼びかけで佐野元春サン(66才)、世良公則サン(67才)、Charさん(67才)ら“同級生”5人と「時代遅れのRock’n’Roll Band」に参加。『第73回NHK紅白歌合戦』の特別枠では、ゲストミュージシャンに大友康平サン(67才)と原由子サン(66才)、ハマ・オカモトさん(31才)を迎え、セッションしたことが大きな話題となりました。