配布された通達文。ルフィ強盗団への警戒が窺える
そして〈各地区総責任者より(中略)厳しく御指導して頂きます様宜しくお願い致します〉と、一際厳しい口調で禁じているのが強盗・特殊詐欺への関与だ。〈最近報道されている強盗 特殊詐欺等の事案〉として、「ルフィ」と名乗る日本人の男らがフィリピンから強制送還され逮捕された事件を示唆。その上で、〈この様な事件に加担した者が居た場合又は接触を持ったりした者が居た場合は当人は元より一家一門まで厳しく処罰する〉とし、親まで連帯責任を負わせるという厳しい内容になっている。
こうした通達を出した狙いはどこにあるのか。フリーライターの鈴木智彦氏はこう語る。
「暴力団は脱法行為を繰り返している、法に縛られない組織というイメージが強いが、実際は警察のお目こぼしがあるから存在できている。警察の機嫌を損なうと工藤會(特定危険指定暴力団)のように壊滅まで徹底的に追い込まれます。今回の広域強盗は逮捕された首謀者4人に六代目山口組関係者がいたこともわかっている。警察の威信にかけた捜査が進められているため、今後、組員の関与が相次ぐと組織ごと潰されかねない。今回の通達は組員に向けてというよりも、警察に“ウチの組織は禁じています”というアピールの面が大きい」
カタギに迷惑をかけてはならないという考えは変わらない
ETCには気をつけよう
六代目山口組の高山若頭(写真/共同通信社)
神戸山口組の井上邦雄組長(時事通信フォト)