──紙焼きで渡すのがもう素敵ですね。
安齋:みうらくんも大感激してましたよ。もうやんなっちゃうよね。そういう大人になりたかったな。
ベストオブ空耳は星野源も選んだ名作
──安齋さん的ベストオブ空耳ってありますか?
安齋:一番のお気に入りは、最後の回で星野源さんも選んでいた、プリンスの『バットダンス』です。
──農協牛乳! あの作品のせいで農協牛乳のパッケージを見ると頭に「バットダンス」が流れるようになっちゃった人多いですよね。
安齋:農~協~牛~乳! ってなりますよね。映像から何から、「空耳アワー」の中でも最高ですね、やっぱり。チープなのがいいんです。あの感じが、「空耳アワー」というものを形作ったと言ってもいいと思います。
──振り返ってみて、「空耳アワー」とはなんだったのか、安齋さんなりの答えみたいなものってあったりしますか。
安齋:僕にとっては、ソラミミストというのは職業でもないし、ましてや自分で生み出したわけでもなんでもないじゃないですか。安齋さん、ジャンパー貰ったんですか? 貰ってないし。なんかいい空耳見つけましたか? 見つけてもいないし。映像作ったんですか? 出たことはあるけど作ってないし。言ってみれば、僕は「空耳アワー」に何も貢献してないんですよ。ただ笑っていただけ。
なんだかこの30年が、僕にとっては空耳だったんじゃないかと思います。
──めっちゃ格好いいですね。
安齋:今やね、耳鳴りがひどくてね。ミミナリストです。ソラミミスト引退してミミナリストになります。
──めちゃめちゃかっこ悪いですね!
安齋:てぬぐい。
◆取材・文/大木信景(HEW)