芸能

《空耳アワー30年》安齋肇「タモリさんみたいな大人になりたい」ソラミミストが語った「コンプラの時代」「遅刻癖の真相」「粋な最終回」

30年の歴史を語った安齋さん

30年の歴史を語った安齋さん

「すいません、出てくる方向間違っちゃって。しかも渋谷がすっごい混んでて、歩きづらくてね。申し訳なかったです」──そう言って15分遅れて取材の場に現れた安齋肇氏を見て、本当に遅刻するんだ、と思った。

 テレビ朝日系で1982年から放送されてきた人気番組『タモリ倶楽部』が、3月31日深夜の放送をもって40年余の歴史に幕を下ろした。2月に番組終了が発表されるや、ネット上には驚きと悲嘆の声があふれ、最終回当日も「いまだに信じられない」といった声が多く上がるなど、多くの人に愛された番組だった。

『タモリ倶楽部』を語る上で外せないのが、1992年に始まった人気コーナー「空耳アワー」だ。かつては毎週放送されていたとはいえ番組の1コーナーに過ぎず、最近では年数回の放送になっていた企画であるにもかかわらず、芸能人にも“空耳ファン”を公言する人がいるほど多くのファンを集めた。番組終了を惜しむ声と同じくらい「空耳アワー」終了を嘆く声も聞かれたほどだ。そんな「空耳アワー」をコーナー開始当初からタモリの横で見守り続けたのが、愛すべき遅刻癖でも知られるイラストレーターの安齋肇氏だった。

映像の制作秘話

──30年間、お疲れ様でした。

安齋:こんな取材をしていただいてありがたいことですよ、本当に。でも、僕はネタを探してくるわけでもなければ映像を作っているわけでもない。タモリさんと一緒に、映像をその場で初めて見るというただそれだけなんですけどね。

“ソラミミスト”なんて名乗ってるせいで、僕がとてもフィーチャリングされちゃってますけど、とにかくスタッフがすごく頑張ってる企画なんです。「空耳アワー」の最後の放送回でも言ってましたが、オンエアされたネタが4000あるのに対し、ボツにしたVTRが1500もあるんですよ。「空耳アワー」は、「洋楽がこんな風に日本語に聞こえる」というネタに、スタッフが独自の映像をつけて初めて成り立つ作品。一種のお笑い的な、面白いものを作ろうという熱意には頭が下がります。

──タモリさんと安齋さんが映像をご覧になっている姿を、同じ場所で映像制作スタッフも見てるんですよね。

安齋:僕はゲラで、よくネタの最中に笑い出すとか言われてるんだけど、映像を見ながら制作スタッフの顔が目に入るんですよ。それがおかしくて。ものによってはタモリさんの反応がイマイチなときもあるわけじゃないですか。もう、めちゃくちゃ落ち込んでたりするんです。

 でも、ウケなかったネタや、ましてやボツになって放送されなかったネタも、そんなに悪くないんですよ。そこまで差はない。「空耳」の「面白い」「面白くない」というのは、その時の一瞬の空気で決まってしまうところがあります。空耳は出会い頭だからね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
今回の地震で道路の陥没に巻き込まれた軽自動車(青森県東北町。写真/共同通信社)
【青森県東方沖でM7.5の地震】運用開始以来初の“後発地震注意情報”発表「1週間以内にM7を超える地震の発生確率」が平常時0.1%から1%に 冬の大地震に備えるためにすべきこと 
女性セブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン