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転生モノ、大人気の背景に「日本人の宗教観」 コロナ禍で死を自分事として考える人も増加

(写真/PIXTA)

転生モノがブーム(写真/PIXTA)

《もう一度君を愛するために、生まれ変わったなんて言われたら好きになっちゃうに決まってる!》。4月3日から放送開始の韓流ドラマ『ボーンアゲイン〜運命のトライアングル〜』(フジテレビ系)が話題になっている。三角関係だった2人のヒーローと1人のヒロインが30年後に生まれ変わって再び出会い、「永遠の恋」を求めてさまよう姿に「胸キュン」の声が続出なのだ。

 そうした“生まれ変わり”をテーマにした人気作品はラブストーリーに留まらない。交通事故で死亡し、死後の世界で「来世はオオアリクイになる」と言われた市役所勤務の女性が徳を積んで人間に生まれ変わるため、人生を赤ちゃんからやり直すドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)も大きな注目を浴びた。アニメ『転生したらスライムだった件』をはじめとして、ライトノベルや漫画の世界でも転生や死後の世界を描いた作品が人気を集めている。

 日本大学経済学部特任教授で哲学者の伊佐敷隆弘さんは、ブームの背景には日本人が持つ宗教観があると話す。

「日本人は1000年以上前から前世や死後の世界に強い関心を持っています。実際、絵画や文書などさまざまな形でそのことが表現されてきた歴史があります。それは仏教における『前世の行い次第で天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の6つの世界に振り分けられる』という思想が日本に広く浸透しているからだと考えられます」(伊佐敷さん)

 そうした宗教・死生観に拍車をかけたのがコロナ禍だ。これまで3000人を看取ってきた緩和ケア医の奥野滋子さんは、最近は死を身近に捉える人が増えたと指摘する。

「終末期にすでに亡くなった家族や知人が自分の前に現れる“お迎え現象”について知りたい、いまの時代どう生きてどう死ぬかについてアドバイスが欲しい、といったテーマの講演を依頼されることが増えました。コロナ禍で容体が急変して、面会もできないまま亡くなる命を目の当たりにする機会があったからではないでしょうか。死を“自分事”として考え、最期をどう迎えるか、死後はどうなるのかについて考える人が増えていると感じます」

※女性セブン2023年4月20日号

臨死体験スケール

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