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中高年の「手指の障害」が増加中 症状緩和には原因特定と早期の治療が必要

原因が何かを特定する診断が重要となる(イラスト/いかわやすとし)

原因が何かを特定する診断が重要となる(イラスト/いかわやすとし)

 物をつかむ、握るなど手の指は繊細で、複雑な動きを要求されるため、骨や腱、筋肉がコンパクトに集まり、構築されている。近年、指が曲がらない、伸ばせない、痛いなどの症状を訴える中高年が増加中だ。指のトラブルは何かと生活の質を落とすので、まずは原因が何かを特定する診断が重要となってくる。早期に専門医を受診し、適切な治療に取り組みたい。

 人は手指を使い“摘まむ”“握る”“押す”といった精巧で複雑な運動機能を何気なく行なっているため、その動きが障害されると不自由を感じてしまう。手指の障害の原因として高度経済成長期は仕事などでのケガが多かったが、高齢化の進む現在は指が曲がらない、伸ばせない、痛みがあるなどの病気が激増中だ。

 日本手外科学会の専門医で、NTT東日本関東病院の大江隆史院長に詳しく聞いた。

「指が曲がらない、伸びないなどの症状は加齢によって生じることが多く、まずは何が原因で起こっているかを診断しなければいけません。考えられる大きな原因は3つ。変形性関節症か腱鞘炎、あるいは少ない症例になりますが、筋肉のマヒです」

 変形性関節症は骨と骨との間にある軟骨がすり減って関節が動きにくくなり、痛みを生じる病気だ。関節は関節包という袋に覆われ、中に潤滑油の役割を担う関節液が入っている。それが加齢で次第に軟骨がすり減り、少しずつ関節液も減少し、結局は関節の動きが悪くなる。

 手指の変形性関節症が起こる場所で、一番多いのが指の第一関節だ。次に親指の付け根(母指CM関節)が続き、数は若干少ないが指の第二関節となる。患者はそれぞれ約1000万人おり、変形性膝関節症の2500万人に匹敵すると推計されている。

 特に親指の機能は他の指で代用しにくく、変形性関節症を発症すると、より不自由を感じる。さらに重症化した場合、関節の脱臼(ずれ)や骨棘を生じることもある。その他、手指の関節を障害する病気としては関節リウマチがある。早く診断がつけば、その分、効果の高い薬物治療を開始させることも可能だ。

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