手指の障害原因の2番目は腱と腱が通る腱鞘と呼ばれるトンネルの間に炎症が起こる腱鞘炎。手指には筋肉がなく、曲げ伸ばしは前腕の筋肉が担う。つまり、筋肉が収縮する力が腱を介して指に伝わることで、曲げ伸ばしは可能となるが、使いすぎや加齢により、腱と腱鞘の間の滑りが悪くなると、その腱鞘の一部が分厚くなって腱の動きが制限され、腱鞘炎を発症してしまう。
「腱鞘炎が重症化してしまえば、指を曲げようとしても曲がらず、あるところまで力を入れると、突然バキッと指が動き、伸ばす時も同じことが起こります。これが弾発(ばね)現象で、ばね指と呼ばれています。多くの糖尿病の方は腱鞘炎になりやすく、治療をしても再発しやすいので、注意が必要です」(大江院長)
〈症状や重症度による選択的な治療方法は次回にて〉
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023年4月21日号