インタビューを受けている山口さんの表情は、以前と比べようがないほど穏やかだ。最も違うのは目だ。2018年の時は、目が吊り上がっていたというか、目尻からして吊り上がっていたと思う。目の色も暗く、きつい張りつめた印象で、見るからに危なかった。だが写真の彼は目尻が下がり柔らかい目をしている。
顔の印象に関するものに相貌心理学というものがある。フランス発祥のメソッドで、顔そのものを分析するものだという。『人は顔を見れば99%わかる:フランス発・相貌心理学入門』佐藤ブゾン貴子著(河出新書)によると、人の顔はその人が置かれた環境によって微妙に変化するし、内面の変化は顔のどこかに表われるそうだ。では目尻は?というと、目尻が上がっていると、人は自分の見たいものだけを見て、他の人の意見を受け入れなくなる傾向があるという。その目尻が以前より下がっていれば、人の話に耳を傾けるようになって、ものごとを見極める力が出てくるのだとか。アルコール依存だと認めて治療を受けたことで、自身の在り様や人との関係も変化したと思う。ただ目尻もあまり下がりすぎると、人の言うことに流されやすくなるらしい。
3月には再出発するため自身が社長を務める会社を設立した山口さん。相貌心理学では顔が変われば、人生は変わるというそうだ。内面がどこまで変わったかまではわからないが、過去の過ちを繰り返さないよう、これからの人生を良い方向に向けてほしい。