ライフ

食欲と味覚の関係 脳が心地よさを感じる「甘味&塩味」は食欲を増進させる“魔の組み合わせ”

(写真/GettyImages)

ダイエットを成功させるには味覚のコントロールが必須か(写真/GettyImages)

 春の訪れが早かった今年は、夏が来るのも早そう。だから、その前に少しでもやせておきたいところだけど……。「どんなに頑張っても、ここを変えないとやせられない」という“敵”がある。それが味覚だ。

 炭酸飲料を飲みながら、スナック菓子を一気に食べ切り、後悔をした経験はないだろうか。

「一気に食べてしまうのは、“魔の味覚スパイラル”にハマってしまうから」

 そう解説するのは、「味博士」として味覚や食べ合わせの研究を行っている鈴木隆一さんだ。鈴木さんはあらゆる食べ物、飲み物を基本の五味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)に分解し、数値化する味覚センサー「レオ」の開発者でもある。

 別掲のグラフは、炭酸飲料とスナック菓子を一緒に食べた場合の五味の感じ方を数値で表したものだが、「ポップコーン×コーラ」「ポテトチップス×炭酸飲料」など、途中でやめられない組み合わせのメニューには、甘味と塩味が突出して高いことが共通している。

「五味のうち、甘味は中和系、塩味は刺激系の味覚に分類されます。塩味も甘味も、どちらかが強いと途中で飽きてしまいますが、異なる2つの味覚で、刺激と中和を繰り返すと脳は心地よさを感じ、もっと食べたいという指令を発するようになる。これが食欲を増進する“魔の組み合わせ”です」

基本の五味

基本の五味

 食べすぎを回避するには、何より、甘味と塩味のバランスを崩すことだ。

 たとえば、塩味の強いスナック菓子を食べるときは、苦味の強いコーヒーや、酸味の強いレモン水を合わせる。また、おにぎりで人気のツナマヨは、甘味と塩味が同じくらい含まれるが、昆布やかつおぶしのだしが効いたスープなどの旨味の強いものを一緒に摂ると、脳が早く満足するため、食べすぎを防止することができる。

「人の感覚には慣れがあり、最初は味が濃いと感じても、次第にこんなものかと思いがちです。

 たとえば、食べなれない人が薄味の京料理を食べると繊細な味が感じられず、物足りなく思ってしまうこともあるでしょう。

 その点、薄味に舌が慣れて甘味や塩味に対する感受性が強くなれば、糖分や塩分が適切な量になり、食欲もコントロールできるようになるんです」

 体重や見た目も重要だが、将来の健康のためにも、味覚を見直す必要があるのだ。

関連記事

トピックス

本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
2021年ドラ1右腕・森木大智
《悔しいし、情けないし…》高卒4年目で戦力外通告の元阪神ドラ1右腕 育成降格でかけられた「藤川球児監督からの言葉」とは
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン