芸能

韓国出身・シンガーソングライターKさんが明かす「絶対日本語を話す」来日直後の決意【連載「日本語に分け入ったとき」】

韓国出身のシンガーソングライターのKさん

韓国出身のシンガーソングライター・Kさん

 日本語を母語としないながらも、今は流暢でごく自然な日本語で活躍している外国出身者は、どのような道のりを経てそれほどまで日本語に習熟したのか。日本語教師の資格を持つライターの北村浩子氏がたずねていく。1人目は韓国出身のシンガーソングライターのKさんにうかがった。【全3回の第1回】

 * * *
 日本語教師と聞いて、みなさんはどんな仕事を思い浮かべるだろうか。

 五十音表を使って書き方を教える、英会話講師のように学習者と会話をする……いろいろなイメージがあるだろう。

 ひとことで言うと「学習者のニーズに応じた日本語を教える」のが日本語教師の仕事だ。試験に合格したい、地域で生きていくのに必要な言葉を知りたい、ビジネスで使う用語や言い回しを覚えたいなど、それぞれの希望に即した日本語を教える。テキストも使うが、自分で教材を作ることもしばしばだ。

 わたしは日本語教師になって12年ほどになる。留学生をメインに、子供や外交官など様々な立場・年齢の人に教えてきた。文法の教え方に悩み、説明し過ぎたと落ち込み、今日はまあまあだったかなとちいさく自分を励ます。そんなことを繰り返している。

 あるときから、心の中に一つの疑問が居座るようになった。

「どうやったら「その先」に行けるんだろう?」

 継続して勉強していれば、最初の段階より確実にうまくはなる。問題はその先だ。日本語で自分を表現できていると、どうしたら思えるのか、日本語を操っているという感覚はどうやったら得られるのか。

 ある程度言葉に不自由しなくなったら、次のレベルを目指すかどうかはその人次第。だからこそ、日本語という外国語の山を登り続け高いところに行き着いた人たちに、どんな景色が見えているのか聞いてみたいと思うようになった。登り始めた頃の思い出を、今だから話せる当時のことを語ってもらいたい。願望が募った。
 夢が叶って、今回、話を聞きたかった方々に会うことができた。日本で、それぞれの日本語を駆使して生きている方々のもとにいそいそと足を運び、わくわく、どきどきしながらインタビューした。

 その記録をこれから書いていこうと思う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン