Kさんにとって忘れられない日本語での「間違い」とは……

「絶対日本語で話す」ことを課していた理由は……

「多分、自分の口から伝えたい、という気持ちが僕はすごく強いんですよ。喋りたいことが100個あるとしたら、通訳さんを通せば多分80個から90個は伝わる。ただ、自分で喋って50個くらいしか伝わらなかったとしても、僕としてはそのほうがいい。片言でも、自分が話すことで伝わる想いというのがあると思うんですよね。通訳さんがいれば心強いし、何より安心なんですけど、うまくなくてもこちらが一生懸命話していると相手も心を開いてくれる。それが僕にとっては嬉しいんです。

 と言ってもさすがに最初は言葉を知らないから、今はもうあまり使われていないかもしれないですけど、パカッて開ける電子辞書を持ち歩いて、何かと言うとパカッてやってました(笑)。そのうちにだんだん日常会話もできるようになってきて、当時のマネージャーさんと話し合って、一旦通訳さんなしでやってみようということになったんです。仕事も生活も全部日本語にしようと。

 そうしたら、ちょっと気になることが出てきたんですよね」

第2回に続く

【プロフィール】K(ケイ)/1983年生まれ、韓国・ソウル市出身。2005年TBSドラマ「H2」の主題歌『over…』で日本デビュー。以来、ヒット曲を連発し、日本武道館や47都道府県ツアーも成功させる。ライブ以外にもMCやラジオDJ、ナレーターなど幅広く活動。妻はタレント・関根麻里さん。

◆取材・文 北村浩子(きたむら・ひろこ)/日本語教師、ライター。FMヨコハマにて20年以上ニュースを担当し、本紹介番組「books A to Z」では2千冊近くの作品を取り上げた。雑誌に書評や著者インタビューを多数寄稿。

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