ライフ

元フジテレビ・露木茂氏が振り返る左尿管がんとの戦い 好印象を抱いた「さらっと事務的ながん告知」

クールな「がん宣告」が好印象だったと元フジテレビ・露木茂氏は振り返る(時事通信フォト)

クールな「がん宣告」が好印象だったと元フジテレビ・露木茂氏は振り返る(時事通信フォト)

 人生を変えるほどの病魔から救ってくれた名医との出会い、そして闘病生活について、各界の著名人に披露してもらった。左尿管がんと戦った元フジ・露木茂氏(82)が体験談を語る。

 * * *
 2020年2月に盲腸の手術で入院した際、退院前日にCTスキャンで傷痕を確認したら、左の腎臓の下の尿管に腫瘍があることがわかりました。

 そこで初めて対面したのが、国立病院機構東京医療センター泌尿器科医長の斉藤史郎医師(現在は大船中央病院前立腺がんセンターセンター長)です。

 この時、斉藤先生は「この部位の腫瘍で良性は99%あり得ません。がんで間違いないでしょう」とはっきり言ってくれた。昔はがんの告知といえば家族や親族が呼ばれて重々しいイメージでしたが、この日は妻が同行することもなく僕1人だけ。斉藤先生がさらっと事務的に告知してくれたことがむしろ好印象でした。

 斉藤先生は放射線治療の一種である前立腺がん小線源治療を日本で最初に行なった名医ですが、病状の説明はとてもわかりやすく、経験豊かなことがこちらにも伝わってきた。先生は手術前にこう説明してくれました。

「私たちはチーム医療に徹していて、泌尿器科の医師全員があなたのデータを共有しているので何も心配しないでください」

 はじめは手術に不安がありましたが、斉藤先生の言葉にすっかり安心して“この先生にすべて任せよう”という気持ちになり、セカンドオピニオンは一切考えなかった。

 そして5時間の手術で左の腎臓、尿管、膀胱の一部を摘出しましたが、少し驚いたのは手術の翌日から歩く練習をさせられたことです。斉藤先生に「高齢だから寝ていると足がどんどん動かなくなる」と言われて、部屋のなかをゆっくり歩くことから始めました。苦しかったけど、おかげで術後は順調に体力が回復し、何の異常もなく日常生活を送っています。

 私がテレビによく出ていることも斉藤先生はご存じだったと思いますが、そんなことは意識しないで治療してくれました。

 術後3年が経ちましたが、定期検査でも異常はなく、今では病気のことを忘れてお酒が飲めるのも斉藤先生のおかげです。

※週刊ポスト2023年6月9・16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
国仲涼子が『ちゅらさん』出演当時の思い出を振り返る
国仲涼子が語る“田中好子さんの思い出”と“相撲への愛” 『ちゅらさん』母娘の絆から始まった相撲部屋通い「体があたる時の音がたまらない」
週刊ポスト
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン