今や外見で暴力団を判別するのは困難に……(写真はイメージ)
消滅するヤクザの“特権” 今は似非ヤクザや半グレが……
“暴力団の高級車離れ”ともいえる現象について、暴力団事情に詳しいジャーナリスト・鈴木智彦氏も「世間的に暴力団のイメージが強いのは、やはり黒塗りの高級セダン車です。しかし近年、わかりやすく『暴力団』だとアピールするような振る舞いは少なくなりました」と指摘する。
「組織によっては、背広やネクタイの色まで指定してきます。『俺たちは銀行員じゃねぇ』と不満を漏らす古参組員もいますが、柄シャツを着たり、襟をスーツの表に出したりしている組員などいません。今や外見で暴力団を判別するのは困難です。
例えば昔は、地方都市では飲み屋の真ん前に車を横付けできるのがヤクザの特権であり、ネオン街のステータスだったのですが、九州では暴力団が立ち入り禁止のエリアもある。今は似非ヤクザや半グレがそれをしています。
なによりヤクザにとっては、身内の嫉妬が一番やっかいなんです。羽振りが良ければ先輩たちにたかられます。上納金の割り当てだって増えるかもしれない。組の寄り合いだけ、ボロい車に乗っていく幹部もいます」(鈴木氏)