〈調理を担当していた20代の男性社員に計93時間、40代の男性アルバイトに計90時間の時間外労働をさせていた」※36協定の悪用〉
〈5ヶ月間に96回の違法残業、36協定の限度時間を超える、1ヶ月100時間以上の時間外労働〉
〈36協定なしに時間外労働を延べ117回、健康診断も未実施。29歳の店長は青壮年突然死症候群で死亡〉
〈62歳の調理担当者の男性が1ヶ月の時間外労働93時間の過重労働で脳出血、左半身まひ〉
これらはごく一部で、居酒屋チェーンはもはや常連である。日本が労働者を部品どころか燃料、いや湯水のように消費し続けた「失われた30年」の縮図のような実態が居酒屋チェーンにある。書類送検や損害賠償はもちろん、過労死や未払いなど現在も裁判で争っている事案もある。
外国人が日本の異常で潔癖な接客を変えてくれるかも
「外食産業界で1ヶ月100時間は一般的」
ある大手居酒屋チェーンの過労死事件の裁判で、会社側はこのような趣旨の主張をした。
冒頭のマネージャーは語る。
「日本を代表する大手の居酒屋チェーン、上場企業がそういうことを平気でする。これで働きたいという人がいますかね。平成の就職氷河期ならともかく、仕事はいくらでもある令和の若者が、こんな業界で働きたいと思いますかね。いないから誰も働かない」
そこで、日本人が働いてくれないから外国人、は大手居酒屋チェーンも例外ではない。都心などは外国人スタッフが増えた。
「都心で時給1200円とかで働いてくれるのは外国人くらいだ。いまだに最低時給かそれに近い時給で働かせようとする居酒屋は外国人を積極的に雇っている。ブローカーもいる」
ただし、日本人のように働くかと言えば、そうではないという。
「大雑把な面もあるが、とくに彼らは主張が強い。日本人のように文句を言わず働くようなこともない。なぜ立ちっぱなしなのか、なぜ200円とか300円の枝豆を高級レストランのように丁寧に置かなければいけないのか、こちらは何も悪くないのに何度も頭を下げなければならないのか、当たり前の意見をちゃんと言う」