オークランド・アスレチックスの藤浪晋太郎(写真/共同通信社)
「野球界で昔から言われるのは、『ホームランバッターと速球投手は育てられない』という教えです。野球が長い歴史を経る中で、選手育成には色々なメソッドが確立していますが、『打球を遠くに飛ばす』『速い球を投げる』という点に関しては、“教えてどうにかなるものではない”というのが定説。大谷翔平のようなホームランバッターや、藤浪のような豪速球投手は、努力で生まれるものでなく、天から授けられた才能が占める部分が大きいということです。
プロ野球選手は、幼い頃から類まれなる身体能力を持ち、体育の授業や運動会でヒーローだったフィジカルエリートばかりですが、藤浪は野球の天才が揃う世界でもごく一握りにしか許されない、速球だけで勝負が出来る投手。メジャーに渡っても、その速球は際立っている。アスレチックスのコッツェイ監督が懲りずにチャンスを与えるのは、藤浪が特別な資質を持っている何よりの証拠です。
ここまで結果が出ないのに、腐ったり塞ぎ込んだりすることなく、ひょうひょうと与えられた仕事をこなすメンタルの強さもメジャー向きです。ストライクさえ入れば、彼はまず打たれない。メジャーには長身投手のお手本がたくさんいますし、日本時代から夏場に向けて調子が上がるタイプでしたから、これから一気に大化けする可能性は十分あるでしょう」(同上)
同学年の“オオタニサン”はメジャーで花開いたが、“フジ”の花も咲くか。