スポーツ

藤浪晋太郎、防御率11点台でもチーム最多勝の強運 「最弱球団」「便利屋扱い」も追い風で覚醒の予感

藤浪晋太郎

メジャーで苦戦が続く藤浪晋太郎(時事通信フォト)

“虎のエース”の背中が泣いている。今季からアスレチックスに移籍した元阪神の藤浪晋太郎(29才)が、メジャーの舞台で大苦戦。すでに21試合に登板しているが、防御率は10点を超える数値を叩き出している。

「藤浪はオープン戦で3勝を上げて開幕ローテーション入りしたものの、4試合連続で滅多打ちにあい、中継ぎに配置転換。しかしそこでもピリッとせず、開幕から2か月が経っても防御率は11点台で、1イニングで1点以上取られる計算です。

 問題は明白で、ストライクが入らないこと。これまで34イニングを投げて33もの四死球を与えており、あからさまなボール球で打者が激昂し、球場が険悪な雰囲気になることもしばしば。12日の試合でも、打者の頭部に投球が行く場面があり、3人の打者に2四球を与えてマウンドを降りました」(スポーツ担当記者)

 ただ不思議なのは、それでも藤浪がチャンスを与えられ続けていることだ。藤浪の登板数21はチーム3位(6月13日時点)で、3勝はチームトップ。防御率はよくないが、立派な戦力になっているという見方も出来なくはない。

「早々に先発ローテーションから外された藤浪ですが、どうやら本人の同意なしにはマイナー降格しない契約を結んでいるようです。彼の年俸は推定325万ドル(≒4億4000万円)で、チーム5位の高額ですから、ベンチで寝かせておくわけにはいかない。敗戦処理、イニングをまたいでの中継ぎ、オープナーなど、便利屋として使われている印象です」(同上)

しかし、藤浪がアスレチックスを選んだのは大正解だった。

「今季のアスレチックスはとにかく成績がボロボロ。シーズンの4割を消化した時点で、勝率が2割5分という歴史的な敗戦ペースですから、今さら藤浪の勝敗や防御率を細かく気にするチーム状態ではありません。

 藤浪は日本時代から、右打者へのボールがすっぽ抜けるクセがありましたが、メジャーのボールは日本より滑りやすく、松坂大輔、田中将大、ダルビッシュ有も対応には時間が掛かりました。こうなると、チームが弱いのは藤浪にとって好都合かもしれない。今年1年はメジャーに慣れる年と割り切り、登板を重ねながら試行錯誤を続ければ良いでしょう。今のアスレチックスならそれが許されます」(野球ライター)

チーム成績もボロボロなら球場もガラガラのアスレチックスなら、時間を掛けて自分のスタイルを探る作業も許される。それが可能なのも、藤浪が“超”が付く一級品の才能の持ち主だからだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン