ああ、いろいろ思い出していたら腹が立ってきた。玲子さんは毎日のように「私がしてほしいのは、運送会社があなたに到着したときに、箱を受け取るのを手伝うことだけです。私を助けてください」という不思議なメッセージを送ってくる。「私は何をすればいいですか」と問えば、玲子さんは多分、「次は住所を教えてください」とくるのだろう。で、「住所もわかった以上、もう逃げられないぞ」と心理的にこっちの首根っこを押さえてから、「お金が入った箱を開けるために、セキュリティー会社に払うお金を◯万円立て替えてほしい。箱の中には3億円入っているからそのお金は自由に使ってください」などと言って、数万円をかすめ取ろうとしているんだろう、と。

 SNS詐欺師の場合、たいがいは「海外に住んでいます」という設定で、翻訳アプリを使って日本語にしているから、日本語がヘン。

「余命わずか。お金を預けたい」という玲子さんもそう。毎回、文頭は「ご支援ありがとうございます」で、最後は「わかりますか?」だ。なめてんの?

 で、私は最後のメールを送った。「玲子さんはもしかしたら私と同業者?(笑)なら、もう少し頭を使った方がいいですよ。あ、ない頭は使えないか。浪花節に『バカは死ななきゃなおらない』という一節があります。さあ、どうぞ3回言ってください」。

 それっきり返信がないわよ。

 コロナで世の中がガタガタになったいま、結婚詐欺や投資詐欺が増えているという。もし「おかしい」と少しでも思ったら、「同業」で追い払うといい。それか何を聞かれてもダンマリがいちばん。“論破王”になろうなんて絶対に思っちゃダメだよ。と、詐欺被害にウン回も遭った私が言うんだから間違いないって。

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

※女性セブン2023年6月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
日曜劇場『キャスター』(TBS系)で主演を務める俳優の阿部寛
《キャスター、恋は闇…》看板枠でテレビ局を舞台にしたドラマが急増 顕著な「自己批判や自虐」の姿勢 
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン