ライフ

お酢、減塩調味料、カロリーオフ・カロリーゼロ、オリーブオイル…調味料に潜むリスク

(写真/PIXTA)

オリーブオイルには偽物もあるので注意が必要(写真/PIXTA)

「体にいい」という触れ込みの食品は多いが、食べ方や食べる量によっては体に害を及ぼすことがあるという。見落としがちだが、調味料にも落とし穴がある。例えば、肥満対策に効果があるとされるお酢だが、健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんは、「摂り方に注意してほしい」と言う。

「ダイエット目的でお酢を飲む習慣を持っている人も少なくありませんが酸性の強いお酢をそのまま飲むと、のどや胃を痛める可能性が高い。飲むなら必ず薄め、できれば食べ物にかけて摂りましょう」

 高血圧対策によいとされる減塩調味料にもリスクが潜む。

「ナトリウム使用量を減らすために塩化カリウムが加えられている商品もあり、腎臓疾患などでカリウムを制限する必要がある人は注意が必要です」(望月さん・以下同)

 減塩調味料とよく勘違いされるのが「薄口しょうゆ」。色と香りが薄いのが特徴だが、塩分量は「濃口しょうゆ」よりも多いので注意したい。それらと同様に望月さんが注意を呼び掛けるのは 「ゼロカロリー」「カロリーハーフ」と表記される商品だ。

「たとえばカロリーハーフマヨネーズは脂質を減らしてカロリー減を達成していますが、その分、砂糖が多く添加されているので普通のものより糖質が多い。カロリーハーフだと思って安心してたくさん食べれば、かえって糖質やエネルギーの過剰摂取となります」

カロリーハーフ(写真/PIXTA)

カロリーハーフは糖質が多い(写真/PIXTA)

 カロリーオフ製品には人工甘味料が使われていることがほとんど。仏ソルボンヌ・パリ・ノール大学の研究チームが2022年3月に発表した論文によると、一部の人工甘味料を多量に摂取するとがんリスクが高まるという。そのほかの研究でも肥満や高血圧、脳卒中など脳血管疾患などのリスク増加が指摘されている。

 そうした循環器疾患のリスクを下げる調味料として有名なのは「オリーブオイル」。しかし、アメリカ在住で内科医の大西睦子さんは、品質に注意が必要だという。実際、質の悪いオリーブオイルは世界的な問題で今年1月、FDAは食品詐欺の警告を出し、5つの例を挙げたが、その1つがオリーブオイルだった。

「ひまわりやコーンなどほかの植物油を希釈し、オリーブオイルとして高値で販売していた企業がありました」(大西さん・以下同)

 料理の味を引き締めると同時に、あらゆる健康効果を持つスパイス類についても、FDAは警告を出している。

「ほかの植物の茎を混ぜてかさを増したり、スパイスに染料を使用して高品質に見せかける手法などがあります。たとえば抗酸化作用を持つターメリックや高血圧予防にいいとされるクミンなどのスパイスから、がんなどの健康被害を引き起こす可能性のある鉛含有染料やそのほかの工業用染料が検出されています」

 腸内環境を整えるはちみつも、偽造されやすい。

「一部の悪質な企業は、はちみつやメープルシロップにコーンシロップやサトウキビ糖などの安価な甘味料を混ぜたことがありました。オーストラリアのマッコーリー大学による調査でも、はちみつは世界の異物混入製品リストで3位にランクづけされています。調べた18か国100種類の市販品のうち27品がコーンシロップやサトウキビ糖などで薄められていたそうです」

※女性セブン2023年6月29日号

体を蝕む食べ物と食べ方一覧

体を蝕む食べ物と食べ方一覧

関連キーワード

関連記事

トピックス

11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
(写真/アフロ)
《155億円はどこに》ルーブル美術館強盗事件、侵入から逃走まで7分間の「驚きの手口」 盗まれた品は「二度と表世界には戻ってこない」、蒐集家が発注の可能性も 
女性セブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
ミントグリーンのワンピースをお召しになった佳子さま(写真はブラジル訪問時。時事通信フォト)
《ふっくらした“ふんわり服”に》秋篠宮家・佳子さまが2度目の滋賀訪問で表現した“自分らしい胸元スッキリアレンジ”、スタイリストが解説
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン