僧侶にとって「朝」はどんな意味を持つのか、再び東森さんに聞いた。
「かつて先輩僧侶から『毎回、今生最後のお勤めだと思ってやっている』と言われたことが、強く印象に残っています。それ以来、私もお勤めの際は『これが最後かもしれない』と意識しています。なかなか心が続かないのが現実ですけれど(笑い)。
同様に、毎朝目覚めることも、当たり前のようで、そうではない。誰でも、いずれ目を覚まさない日が来ます。あと50年生きるつもりでも、いつどこで何が起きるかわかりません。そう考えると、朝目覚めただけでも尊いこと。朝は、生きていることに感謝し、いつ死んでも悔いがないよう精一杯生きるスタート地点ではないかと思います」
そう聞くと、ますます朝のひとときが大切に思えてくる。忙しく活動するだけでなく、静かに自分を振り返ることも、立派な“朝活”といえそうだ。
『築地本願寺カフェ Tsumugi』で提供される「18品の朝ごはん」(2200円)。18とは、浄土真宗のご本尊である阿弥陀仏の建てた18番目の願いに由来する。朝食は8〜10時半。数に限りがあるため10時半前に終了することもある。 写真提供:プロントコーポレーション
築地本願寺
住所/東京都中央区築地3-15-1 参拝時間/6〜16時(夕方のお勤め終了後)。朝夕のお勤めは毎日7時と16時。誰でも参拝できるほか、YouTube「築地本願寺LIVE」でライブ配信も行われている。テンプルモーニングは毎月第1月曜日の7時から。※行事の関係で変更する場合があるため、詳細は公式HPで確認を。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2023年6月29日号