コロナ禍でままならなかった祝儀集めは、力士たちの将来のためにも重要になるという。相撲ジャーナリストが言う。
「800人規模の披露宴を開いた照ノ富士は、祝儀で1億円集めたともいわれるが、引退後のことを考えると資金はいくらあってもいい。引退後に協会に残るためには年寄株の取得が必要で、相場は1億~2億円とされる。照ノ富士は師匠の伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)が定年を迎えた後の伊勢ヶ濱部屋を継承するとみられているが、部屋を継ぐとなるとさらに2億~3億円は必要とされます。昨年10月の横綱昇進パーティでは1100人を集めたが、引退までに優勝パーティが何回開けるかも重要になってくるでしょう。
御嶽海のようにコロナ禍で大関昇進や結婚のパーティができないまま、先に大関から陥落してしまった例や、陥落直前にカド番で大関昇進パーティを開いたが400人しか集まらなかった正代のようなパターンもあったが、関取たちはこれから、コロナ禍でほとんどできなかった祝儀集めに奔走することになりそうです」
人気力士でさえ年寄株が手に入らず退職していく例があるなかで、どれだけの資金を蓄えられるかは関取たちの今後を大きく左右する問題と言えそうだ。
※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号