●7位 長渕剛『乾杯』(1980年 作詞/作曲:長渕剛)
結婚する友人のために制作した応援歌。アルバム収録曲を1988年にシングルカットして約80万枚のヒットとなった。レコードからCDに切り替わる端境期だったことや、役者として知名度が上がっていたこともヒットにつながった。
【読者の声】出だしから名フレーズ。1980年代の経済が成長していく中で、結婚式や祝いの席で歌われることも多く、今聴いても胸にジーンときます(60歳、会社員)。
●8位 ガロ『学生街の喫茶店』(1972年 作詞:山上路夫 作曲:すぎやまこういち)
コーヒー1杯で何時間も語り合う喫茶店の店内には、ボブ・ディランが流れている。そんな1970年代の学生文化を、哀愁を漂わせながら描いたガロ最大のヒット曲。ラジオ番組に紹介されたことで火がついた。モデルとなった喫茶店についてさまざまな憶測が流れたが、作詞の山上路夫は「モデルはない」と語っている。
【読者の声】当時20代の営業職の私をかわいがってくれた取引先の社長さんがいつも歌っていた曲です。亡くなられた後、その方を思い出しながら私もこの曲を歌うようになりました。(47歳、会社員)
●9位 アリス『チャンピオン』(1978年 作詞/作曲:谷村新司)
若き挑戦者に敗れるベテランボクサーの悲哀を描いた歌のモデルは、元東洋ミドル級チャンピオンのカシアス内藤。「優しすぎて敵にとどめを刺せない」という意外な弱点を聞いた谷村は、1日で曲を書き上げたという。リリースの翌年、内藤は王座戦に挑戦したものの敗北し、年末に現役を引退した。
【読者の声】中学時代の同級生と飲んだ後の2次会のカラオケで必ず一緒に歌って盛り上がっている曲です。その頃フォークギターで歌っていた友だちの姿を思い出します(42歳、自営業)
●10位 松山千春『大空と大地の中で』(1977年 作詞/作曲:松山千春)
1stアルバム『君のために作った歌』収録曲。親友への応援歌として制作されたもので、北海道勢の甲子園出場の際にもたびたび使用されている。カラオケが普及し始めた1977年に発表されたこともあり、カラオケ全盛時代を過ごした世代には特に愛唱される楽曲のひとつ。
【読者の声】前向きで希望に満ちたこの歌が大好きで若い頃から歌っていましたが、あの高音がどうしても出ませんでした。ところが70歳を過ぎてから高々と出るように。今も歌っています!(81歳、無職)
取材・文/小野雅彦、上田千春
※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号