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電撃引退の逸ノ城が支援者のもとを全国行脚 訪問受けた釜本邦茂氏「本当に腰痛が原因なのかなぁ」と語る

逸ノ城の電撃引退は不可解なことばかりだった(時事通信フォト)

逸ノ城の電撃引退は不可解なことばかりだった(時事通信フォト)

 関脇3人が揃って大関獲りに挑む大相撲7月場所は、7月9日に名古屋のドルフィンズアリーナで初日を迎える。1年前の7月場所で優勝したのは、モンゴル出身の巨漢力士・逸ノ城(30)だった。ところが、逸ノ城は今年5月4日に突如、引退を発表。不可解なことばかりの電撃引退で、引退会見後は同郷のモンゴル出身力士を含む角界関係者と連絡を絶っているような状況だった逸ノ城だが、最近になって全国のタニマチのところに姿を見せているという――。

 5月場所直前というタイミングでの逸ノ城の引退は、不可解な点ばかりだった。相撲担当記者はこう話す。

「幕内優勝から1年経たずに引退した力士は20人いますが、すべて横綱か大関。大関を経験していない力士が平幕優勝した後に1年未満(5場所目)で引退したのは、逸ノ城が初めての例です。しかも、引退直前の3月場所では大関経験者の朝乃山を上手投げで破るなどして14勝1敗で十両優勝している。引退発表のタイミングではすでに5月場所の番付発表がされており、西前頭13枚目として再入幕の土俵を踏む予定でした。

 前の場所で十両優勝して再入幕を確実にしながら翌場所前に引退した力士としては春日王(2011年)がいるが、これは八百長問題での引退勧告を受けての事例。逸ノ城のようなケースは異例中の異例で、メディアが電撃引退と騒ぎ立てることになりました」

 電撃引退に至る流れは複雑だ。昨年11月には所属する湊部屋のおかみさんへの暴力問題が報じられたものの、相撲協会からは不問に付されていた。ただし、同12月には新型コロナウイルスのガイドラインに違反した飲食店訪問が原因で、今年1月場所の出場停止処分が下されている。その結果、十両に転落したわけだが、土俵に戻った3月場所で十両優勝。翌5月場所は再入幕の土俵となるはずだったが、初日を迎えるわずか10日前に「持病の腰痛が悪化した」として引退届を提出し、それを相撲協会が受理したという経過だ。

「師匠の湊親方(元前頭・湊富士)が同席した引退会見で逸ノ城は『(現役を)やりたかったが、体が言うことを聞かない。横になるのもつらくて2日前に引退を決めた』と原因はあくまでも腰痛だと話していた。しかし、当面は治療に専念しても幕下転落まで2~3場所の猶予がある状況だったので、本当の原因は別にあるのでは、と見る関係者は少なくない。

 様々な理由が囁かれているが、そのひとつが師匠との確執。現役の師弟関係でありながら、一時は弁護士を通じてしかやり取りができない時期があったほどで、その原因は年寄株取得を巡る師匠への不信感だといわれています。逸ノ城が角界の慣習をよく理解できなかったことで金銭を巡る不信が募ったものとされますが、もともとの逸ノ城の素行不良もあってお互いに歩み寄れなかった。そうした経緯もあったため、断髪式はできないものと見られてきました」(前出・相撲担当記者)

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