芸能

「現代の知性」24人に選出された高田文夫氏が選んだ6人の「代表的日本人」

高田文夫氏が選んだ6人の「代表的日本人」は?(イラスト/佐野文二郎)

高田文夫氏が選んだ6人の「代表的日本人」は?(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、高田氏が選出した「代表的日本人」について綴る。

 * * *
 よその雑誌のことをとりあげるのってよくないのかな? 出版業界活性化のためならよしともしよう(それ程大袈裟な話でもないが)。「週刊ポスト」の永遠のライバルとは言われていない月刊「文藝春秋」が創刊100周年で様々な企画をやっている。8月号ではなんと「現代の知性24人が選ぶ代表的日本人100人」。なんとも魅力的なアイディアである。そもそも『代表的日本人』というのは1908年、明治の思想家内村鑑三が物した本らしい。

 そして今「現代の知性」に選んでもらおうというわけでこの24人の中に私がいるわけですよ。皆さま、今まで私を甘く見ていたんじゃないんですか? 私こそが「現代の知性」なんですよ、お客さん!

 他のメンバーはと見れば学者に博士に作家に先生。真面目を絵に描いてステッカーにしたような方達ばかり。柔かいのは私だけ。ひとりが5人ほど選んで計100人に……という大特集。ここはひとつ「たこ八郎」とでも答えようと思ったが、やって来た編集の方達もマジな様子。創刊100年である。

 改めて代表的日本人を考えてみたが案外むずかしい。「青春のヒット曲ベスト10」だとか「プロ野球選手ベスト9」ならスラスラ答えられるが代表的日本人……「今のところどんな人が挙がってます?」「伊能忠敬、福沢諭吉、徳川慶喜、吉田茂……」。おいおいっますますたこ八郎の出番はないぞ。

 すると向こうから助け舟。「難しいことは苦手なようなので、高田さんにはどうでしょう? 戦後の文化芸能から5人選んで頂くというのは?」。たやすいこと、徳川慶喜なんて古い人じゃなくて私はよりアップデートした人選で行きますから──と選んでコメントしたのが以下の6人。「北野武さんのことは昨年書かれてますので他に」。

 戦後といえば文化は“映画”。「黒澤明」で問題のないところ。“テレビ”が生まれ『スーダラ節』や『シャボン玉ホリデー』で日本中を明るくした「青島幸男」(私ならではの選球眼)。

“俳優”部門の横綱は「森繁久彌」で文句なし。団塊世代のあの反抗の時代のシンボルであり心の支えだった「高倉健」。江戸庶民文化としての“古典落語”それは志ん生でも談志でもなく我が永遠の“朝さま”「古今亭志ん朝」。

 そして唯一まだ現役で歌い続け先日も私と同じ誕生日(75歳)に“さいたまスーパーアリーナ”で超満員ライブを大成功させた“永遠のジュリー”「沢田研二」である。みごと。これが私の代表的日本人!

※週刊ポスト2023年8月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

石破茂・首相の退陣を求めているのは誰か(時事通信フォト)
自民党内で広がる“石破おろし”の陰で暗躍する旧安倍派4人衆 大臣手形をバラ撒いて多数派工作、次期政権の“入閣リスト”も流れる事態に
週刊ポスト
1999年、夏の甲子園に出場した芸人・とにかく明るい安村(公式HPより)
【私と甲子園】1999年夏出場のとにかく明るい安村 雪が降りしきる母校のグラウンドで練習に明け暮れた日々「甲子園を目指すためだけに高校に通った」 
女性セブン
クマ外傷の専門書が出版された(画像はgetty image、右は中永氏提供)
《クマは鋭い爪と強い腕力で顔をえぐる》専門家が明かすクマ被害のあまりに壮絶な医療現場「顔面中央部を上唇にかけて剥ぎ取られ、鼻がとれた状態」
NEWSポストセブン
小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
ジャーナリストの西谷格氏が新疆ウイグル自治区の様子をレポート(本人撮影)
《新疆ウイグル自治区潜入ルポ》現地の人が徹底的に避ける「強制収容所」の話題 ある女性は「夫は5年前に『学習するところ』に連れて行かれ亡くなりました」
週刊ポスト
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン