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事故物件住みます芸人・松原タニシが明かす“最も怖かった体験”「本当に怖いのは生きている人間です」

事故物件住みます芸人・松原タニシ

2012年から事故物件に住み続ける芸人・松原タニシ

 日本では、お盆になるとあの世から死者の霊魂が帰ってくるとされている。ところがその中には、祖先の霊だけでなく、この世に恨みを抱いた怨霊や成仏できなかった霊もおり、だからこそ、夏は不思議な現象が起きるとも……。

 そして、そんな不思議な現象が起きやすいと言われるのが、事故物件。そこで“事故物件住みます芸人”の松原タニシに、これまでで最も怖かった体験を語ってもらった。「結局、本当に怖いのは生きている人間です」と締めてくれたが、いえいえ、やっぱりその話、怖いですよ!

 * * *
 ぼくは事故物件に暮らしているわけですが、いまの家は17軒目になります。そこはリフォーム業者の人が、

「風呂場で人影を見た」

 と言っていた物件です。別の部屋のリフォームをしている最中に電球が割れたため、ほかの部屋から借りてこようと思ってその部屋に入ったところ、黒い人影に遭遇したと……。後で聞くと、その風呂場で人が亡くなっていたそうです──。

 という物件をいままさに、ぼくが借りているんですよね。ぼく自身はいまのところ、その家では何も遭遇していないんですが(笑い)。事故物件に住んでいちばん怖い体験をしたのは、忘れもしない2年前、13軒目に借りた家でのことです。築30年のありふれたワンルームマンションでした。入居初日は寝具を持ってきていなくて、近所の人が寝袋を貸してくれることになったんです。

「取ってくるから待っていて」

 と言われ、ぼくはひとりでその家にいました。すると、5分後に玄関の扉をノックされたんです。

(戻ってきたのかな)

 と、ドアを開けたものの、誰もいない。不思議に思いつつドアを閉めたら、今度は天井からドンドンと音が鳴る。すぐに上の階を見に行ったら、屋上になっていて誰も住んでいないし、誰もいない。再度首をかしげながら部屋に戻ったら、近所の人が来ていました。それで、

「さっきノックしました?」

 と聞くと、

「いや、いま来たんで、ノックしていないですよ」

 と──ベタな体験と思われるかもしれませんが、これはゾッとしましたね。後で聞いたところ、この物件の周りは事故物件だらけで、当時同じアパート内で6人が亡くなっていたんです。悲鳴が聞こえたこともあるんですけど、どの部屋から聞こえているのかわからないんですよね。住人の声か霊の声かもわからない。実際に住んでいると、そういう体験が日常茶飯事になるんです。

運転中に後部座席から顔が近づいてきて

 これは兄の話なのですが、あまりに印象に残り、後日ぼく自身訪れた場所があります。それが、奈良県奈良市の名阪国道上にある高峰サービスエリア(SA)です。兄の運転で、友達3人とスノーボードに行き、帰りにこのSAに立ち寄ったそうです。女友達がトイレに行きたいというので車内で待っていると、彼女が慌てた様子で戻ってきて、

「すぐに車に入れて」

 と。どうしたのかと思ったら、

「トイレの入り口の洗面台でおばあさんが手を洗っていたの。こんな寒い真夜中にたったひとりで。私が用を済ませて出てきても、まだ手を洗っているの。しかも、入り口に盛り塩があって……。怖くて、走って戻ってきたの」

 兄は不思議に思いつつもすぐに車を発進させたそうです。しばらく後部座席で友人2人が会話をしていたらしいんですが、突如声が途切れたと。で、ルームミラーを見ると顔面蒼白で固まっている友人たちの姿が。そしてその2人の間に、老婆が座っていたそうなんです。

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