(もしかしていま、近くに誰かがいる?)
丑の刻参りは人に見られると成就しないため、見た人を殺さないといけないルールがある。もし、この手形の人が丑の刻参りに来ていてぼくと遭遇したら、殺されるかもしれない……。ぼくは焦って山を下りたのですが、後ろから誰かが追いかけてくる気配がある。怖かったですね。捕まったら殺されると、とにかく明るい場所を求めて必死で逃げました。幸い逃げ切れたのか、事なきを得ましたが……。
ぼくとしては、不思議な現象が起きた方がありがたい(笑い)。怖い体験をするとアドレナリンが出るのか、ワクワクするんです。だから、物理的に襲ってくる人間の方が怖いですよね。それに、“生きている人間の方が強い”って、日頃から思っていますから、その“心の持ちよう”が心霊現象に対する防御になっていると思いますね。
【プロフィール】
松原タニシ/お笑い芸人。1982年兵庫県生まれ。2012年から事故物件に住み続け、現在17軒目。心霊スポットも200か所以上巡る。主な著書に『事故物件怪談 恐い間取り』(二見書房)シリーズ、新刊に『恐い食べ物』(二見書房)。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2023年8月10日号