うささん

うささんは9月18日に、東京渋谷で開催されるイベント『nukumori Vol.10〜Safe in the same Room〜』に出演。絵本『ぼくは海になった』を朗読する

 2016年の熊本地震では現地で行方不明になった動物を救出する「チームうーにゃん」を結成するなど、命の平等や大切さを訴えるべく、幅広く活動している。

 伍代は「りく・なつ同室避難推進プロジェクト」始動にあたってうささんから災害時のペット避難の現状を聞き、まだまだ理解の少ない「同室避難」を世に広めていこうと志を語り合ったという。

 東日本大震災の経験から環境省が災害時のペットの救護についてガイドラインをまとめているが、避難時は「同行避難」が基本とされている。7月22日に愛知県豊橋市で行われたペットとの避難訓練を例にとっても、避難所では「ペット専用スペースを設ける」「ペットは人の居住空間へ入れない」などがルールに掲げられた。

 だが、「同行避難」では災害で命を落とす動物を救えないと、うささんは断言する。

「同行避難もしくは同伴避難はいずれもペットと共に避難することを指しますが、人とペットが同室で過ごすことは意味しません。それではペットを家族として迎えている人は避難してこないんです。

 あまり知られていませんが、東日本大震災では愛犬と一緒に避難所に行ったものの、ペットと同室避難を断られた人が最悪の事態に陥っています。選択肢がなくてペットと共に自宅に帰り津波に飲み込まれた人が少なくない人数いるんです。実際、石巻市では、ワンちゃんを抱きしめたままの遺体が何体も見つかっています。

 他にも、迫る津波から逃げるため学校の最上階へと避難した人が“ペットは上の階に上げられない”と言われ、泣く泣く愛犬を下の階に置いておいたところ、目の前で流されてしまった。その光景が目に焼き付き、今も自分を責め苦しみ続けています」

 うささんは全国の地方自治体の首長へ、同室避難を粘り強く呼びかけてきた。その願いが通じ、愛知県犬山市では市内の指定避難所のうち3か所で昨年12月1日より、ペットとの同室避難が可能になった。

 こうした動きも出てきたが、現状では行政の多くが、人と動物の避難所を別にする考えだという。

 環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」(2013年)では東日本大震災に伴う自治体へのアンケートが報告され、避難所でのペットのトラブルとして、犬の鳴き声や臭いなどの苦情が最も多かったとされている。ノミの駆除など適正な飼育がされていないことでのトラブル、アレルギー体質の人と避難所を共有する難しさも課題に挙がっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン