芸能

笛木優子が明かす日本と韓国の撮影現場の違い 韓国では「すべてにおいて監督の意向が優先される」

韓国ドラマ『美しき人生』(’10年)の楽屋にて。「韓国の台本は横書きなんですよ」(笛木)

韓国ドラマ『美しき人生』(2010年)の楽屋にて。「韓国の台本は横書きなんですよ」(笛木)

 世界を席巻する韓流カルチャー。ドラマや映画の制作現場では、どのような特徴があるのだろうか。韓国でも活躍している笛木優子(44才)に聞いた。

 韓国では“ユミン”という名で女優活動を行っている笛木。そのきっかけは、1999年に日本公開の韓国映画『八月のクリスマス』を見て、「この映画に出たいと思った」ことだ。

「その頃は短大を卒業し、事務所に所属してオーディションを受ける日々でした。女優として映画にすごく出たいのに、うまくいかない。出たいと思える映画もない。このモヤモヤした気持ちを吹き飛ばしてくれたのが、『八月のクリスマス』でした。

 ハン・ソッキュさん(58才)主演で、静かに時間が流れるラブロマンス。私もこんな作品に出たい。そのためには韓国語の習得が必要と思い、韓国行きを決めたんです」(笛木・以下同)

 留学中にモデルのバイトができたらと、当時の韓国でいちばん大きかった芸能事務所『エースターズエンターテインメント』に履歴書を送り、延世大学校韓国語課程(語学堂)に通いながらオーディションを受ける中、訪韓からわずか1か月後にドラマ『わが家』への出演が決まった。

「こんなに簡単にドラマに出られていいのかという不安や怖さもありましたが、それよりワクワク感の方が強かった。それに、いただいた役が聴覚障がい者で、手話を使う役どころでしたので、未熟な韓国語を話さなくてもよかったことはラッキーでしたね」

 日本のドラマの話数は1クール(約3か月)が一般的だが、韓国の場合、当初の予定が大きく変わることも多い。放送前に大まかなストーリーは決まっているが、放送後の反響でどんどん変わっていく。『わが家』も3か月の予定が、反響が大きかったため、6か月(20話)に延びたという。

「人気があれば出番も増えるし話も変わっていく。エネルギーのあふれる現場で最初に仕事ができたことは、本当によかったと思っています」

 ドラマや映画の現場で感じた韓国と日本の最も大きな違いは、「すべてにおいて、監督の意向が優先される」ということだ。

「日本では、主演俳優のスケジュールに合わせて撮影の時間割が分単位で決められることがあるのですが、韓国は、『日没までにここまでのシーンを撮る』『日没後はこれを撮る』というように、大雑把なスケジュールがあるだけで、終了時間は決まっていません。

 監督が演技に納得できるまで妥協せずに何度でもやり直すため先に進まず、撮影が中止になることもありますから、役者として、ものすごく鍛えられました。スター俳優よりも監督の方が偉いんです。

 撮影スケジュールが直前までわからないので、ドラマのかけ持ちなんて絶対に無理。その分、役にどっぷり浸かって集中できますが、撮影中はほとんど家に帰れません(笑い)」

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト