国内

【対談・岩井志麻子氏×比嘉健二氏】レディース専門誌『ティーンズロード』は「海外ドラマを見るような楽しさ」

岩井志麻子さんと比嘉健二さん

岩井志麻子さんと比嘉健二さん

 レディース少女と雑誌編集者の30年前の青春の日々を描いた『特攻服少女と1825日』が話題を集めている。同書は第29回小学館ノンフィクション大賞受賞作。著者で、レディース専門誌『ティーンズロード』の創刊者でもある比嘉健二氏と、雑誌の熱心な読者だった作家・岩井志麻子氏が語り合った。【前後編の前編】

 * * *
比嘉:岩井さん、津山事件【※】をモチーフにした小説を書かれてますよね。犯人の墓って行ったことありますか?

【※1938年に岡山県で起きた事件。「津山三十人殺し」とも呼ばれ、横溝正史の『八つ墓村』のモチーフにもなった】

岩井:もちろんありますよ〜! 小さい石がぽつんとあるところでしょ? 当時、取材で行きました。

比嘉:いまはその石もないらしいですよ。

岩井:そりゃあ、でぇれぇびっくりです(笑い)。比嘉さんは未解決事件も詳しいんですよね? 私、「これが解決するまでは死ねない」と思っている事件が4つあって……。

〈『GON!』や『ナックルズ』シリーズなど数多の人気雑誌を手がけ、現在も編集者として活躍する比嘉健二さんと、歯に衣着せぬ発言でテレビ番組に引っ張りだこのホラー小説の旗手・岩井志麻子さんは、ともに「怪事件・未解決事件」フリーク。対面早々、その話で盛り上がる2人にはもうひとつの共通点があった。それは1989年に比嘉さんが創刊したレディース専門誌の『ティーンズロード』。岩井さんは熱心な愛読者だったのだ〉

岩井:そりゃあもう、毎月楽しみで楽しみで……。

比嘉:うれしいですね(笑い)。だけど岩井さんは『ティーンズロード』に出てきた子たちよりも少し年上でしたよね?

岩井:はい、しかもその当時、私は岡山に住んでいて、子供2人を育てる穏やかな主婦でございました。

比嘉:レディースとは正反対じゃないですか。一体何がきっかけで?

岩井:当時の娯楽といえばテレビと雑誌でしたから、面白いものないかなって、書店でなんとなく手に取ったのが始まりだったと思います。比嘉さんのおっしゃる通り、境遇も心情も私とは一切共通するものがなさすぎて、逆に海外ドラマを見るような気持ちで楽しく読んでたんです。例えば見出しが《17才、康子刺青あり》に《3大レディス夢の初顔合わせ》、《極道に嫁ぐ16才》ですよ。

比嘉:よく細かく覚えていますね。読み込んでいたんですね(笑い)。

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
「城島さん、松岡さんと協力関係は続けていきたいと思います」福島県庁「TOKIO課」担当者が明かした“現状”と届いたエール
NEWSポストセブン
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
【「報道特集」での発言を直撃取材】TBS山本恵里伽アナが見せた“異変” 記者の間では「神対応の人」と話題
NEWSポストセブン
蝦夷富士という名前もある羊蹄山(イメージ)
《ブローカーが証言》中国人らが日本の不動産取得でもくろむ乱暴な開発計画 「日本の役人は言うだけで実力行使はしないと聞いている」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビー服は男の子のものでは?》眞子さん、夫・小室圭さんと貫く“極秘育児”  母・佳代さんの「ラブコール」も届かず…帰国が実現しない可能性も
NEWSポストセブン
吉沢亮演じる喜久雄と横浜流星演じる俊介が剣幕な表情で向かい合うシーンも…(インスタグラムより)
“憑依型俳優”吉沢亮主演の映画『国宝』が大ヒット、噂される新たな「オファー」とは《乗り越えた泥酔事件》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“半日で1000人以上と関係を持った”美女インフルエンサー(26)がイギリスの公共放送で番組出演「口をすぼめて、吸う」過激ビジュアル
NEWSポストセブン
映画『国宝』で梨園の妻を演じた寺島しのぶ(52)
《無言の再投稿》寺島しのぶ、SNSで2回シェアした「画像」に込められた歌舞伎役者である息子・尾上眞秀への“覚悟”
NEWSポストセブン
元横綱・白鵬の宮城野親方に相撲協会はどう動くか(八角理事長/時事通信フォト)
八角理事長体制の相撲協会に「70歳定年制」導入の動き 年寄名跡は「105」しかないため人件費増にはならない特殊事情 一方で現役力士が協会に残ることが困難になる懸念も
NEWSポストセブン
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン