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【松本明子×森尾由美】デビュー40周年・同期対談「若い頃って余裕がなくて、周りと比べてばかりいたよね」

森尾

デビュー40周年の同期、松本明子と森尾由美が対談

 同期のアイドルとしてデビューした松本明子(57才)と森尾由美(57才)。デビュー40周年を迎えた2人に、当時から今に至るまでを語ってもらった。【前後編の前編】

 1980(昭和55)年に松田聖子がデビューしたのを皮切りに、多くのアイドルが誕生した1980年代。なかでも、小泉今日子(57才)、中森明菜(58才)、松本伊代(58才)らがデビューした1982(昭和57)年は、数々の伝説を生んだアイドルが集結したことから、「花の82年組」と呼ばれた。

 その翌年にデビューしたのが、松本明子、森尾由美をはじめ、大沢逸美(57才)、桑田靖子(55才)、小林千絵(59才)、木元ゆうこ(56才)、徳丸純子(57才)だった。先輩アイドルたちの強烈な光にあてられたのか、彼女たちは目立った活躍ができず、「不作の83年組」と呼ばれた。当時からそんな同期同士で励まし合っていたのだろうか──。

 * * *

デビュー当時は会話もしづらく

松本明子(以下・松):私たち、いまは仲いいんですよ。でも実はね、こうやって話せるようになったのは10年くらい前からかな? 私たち2人とも16才でアイドルデビューをしたんですけど、当時の同期はみんなライバル。ほとんど話もしなかったんですよ。

森尾由美(以下・森):そうそう。賞レース、歌番組、水泳大会など、当時はアイドル番組が多くて、私たちはよく同じ楽屋になったので、顔見知りだった。だけど、誰もしゃべらずシーンとしていたの。アッコは、特に静かだった印象があるなあ。

松:香川県からひとりで上京したばかりで、都会にコンプレックスもあったから(笑い)。私の由美ちゃんへの印象は“恩人”! 当時のアイドルは、メイク道具と衣装一式を自分で持って楽屋入りをしていたんだけど、あるとき私のストッキングが伝線していたの。男性のマネジャーさんには恥ずかしくて言えないし、どうしようと思っていたら、由美ちゃんが新品をくれたんだよね。うれしかった。

森:本当? 覚えてない! でも当時はマネジャーさんから、「ストッキングの伝線には注意して」と言われていたから、いつも替えを持っていたのよね。それで声をかけたのかも。

松:ありがたかったな。やさしくて、気遣いができて、几帳面なところは、あの頃からずっと変わらないよね。頼りっぱなし。

森:何言ってるのよ(笑い)。私はアッコのこと尊敬していたよ。アッコは自らオーディションを受けて、実家から遠く離れ、芸能界にひとりで入って来たから、スカウトでデビューした私とは意気込みが違う。アッコを見るたび、「私はここにいていいのかな」って思ってた。

松:本当!? 由美ちゃんはひと際かわいくて、別格って感じだったんだけど、そんなふうに思っていたんだね。

──いまでこそ仲睦まじい2人だが、10代の頃はほとんど話すことのないライバル関係だったという。当時抱いていた互いの思いを知ることもないほど、デビュー当時は自分のことに必死だったのだろう。逆を言うと、立場や状況さえ変われば、仲よくなれる要素を持っていたのだ──。

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