スポーツ

【阪神・岡田彰布監督、名将への道】仰木野球から受けた大きな影響と第一次政権時代の屈辱

岡田彰布監督の指導者としてのキャリアを振り返る(写真/共同通信社)

岡田彰布監督の指導者としてのキャリアを振り返る(写真/共同通信社)

 今季、再びタテ縞のユニフォームを着た岡田彰布監督(65)のもとで、阪神の18年ぶりのアレ(リーグ優勝)が見えてきた。ここまでの道のりは、決して平坦ではなかった。岡田氏が「名将」となるまでを貴重証言で描き出す──。【前後編の前編。後編を読む

仰木マジックからの学び

 阪神、オリックスで活躍した岡田氏が指導者としてのキャリアをスタートさせたのは1996年。前年に現役を引退し、オリックスの二軍助監督兼打撃コーチに就任する。

 指導者の世界に導いたのは、当時のオリックス監督・仰木彬氏だったという。第一次岡田阪神(2004~2008年)で編成部長としてチームを支えた黒田正宏氏がその事情を語る。

「仰木さんは『うちで燃え尽きたらどうや』と岡田を誘って現役最後の2年間をオリックスでプレーさせたのち、『いずれ阪神に戻るやろうが、うちで指導者の勉強をしていけや』と助監督とコーチをやらせたそうです。そこで岡田は選手の見極め方と育成法を勉強したと聞いています」

 オリックス時代のチームメイト・藤井康雄氏も「仰木野球から受けた影響は大きいはず」と語る。

「当時のオリックスは戦力的に劣っていたので、仰木監督は膨大なデータに基づいて選手を起用し、1シーズンで100通りものオーダーを組みました。現在の阪神は4番の大山悠輔(28)をはじめとした中心選手がいるのでスタメンは固定されていますが、島本浩也(30)ら左腕のリリーフなど細かな投手起用で勝ちをもぎ取る野球は、仰木マジックに通ずるものがあります」

 その後、仰木監督が予見した通り、当時の阪神監督だった吉田義男氏の要請により、1998年に二軍助監督兼打撃コーチとして“古巣”に復帰。翌年には野村克也新監督のもと、二軍監督兼打撃コーチに就任する。

 この辺りから「指導者としての心構えができていった」(黒田氏)という。

 指導者の卵として過ごした時代、岡田氏が身につけたのが「二軍の考え方」だ。黒田氏が続ける。

「岡田はよく、『ファームでは、いかに辛抱して選手を使うかが大事』と語っていました。彼は2002年まで二軍監督を務めましたが、その時期から、“将来的に一軍の監督になった時のことを考えて、選手を育てながら勝つこと”を意識していた」

関連記事

トピックス

中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
安倍昭恵夫人に「出馬待望論」が浮上するワケ 背景にある地元・山口と国政での「旧安倍派」の苦境
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
水原一平の賭博スキャンダルを描くドラマが「実現間近」…大谷翔平サイドが恐れる「実名での映像化」、注目される「日本での公開可能性」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン
「最高の総理」ランキング1位に選ばれた吉田茂氏(時事通信フォト)
《戦後80年》政治家・官僚・評論家が選ぶ「最高の総理」「最低の総理」ランキング 圧倒的に評価が高かったのは吉田茂氏、2位は田中角栄氏
週刊ポスト
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン