子宮頸がん治療中の一枚。家族の存在に支えられた

子宮頸がん治療中の一枚。家族の存在に支えられた

「あるとき、先生が顕微鏡でがん細胞を私に見せて、『これがきみの敵だよ。生半可な敵じゃない。だからがんばろう。ぼくも命懸けでがんばるから』とおっしゃったんです。

 患者の立場からすれば、いくら治療法を調べたところで、いざ受けるとなったら、まな板の鯉。先生にすべてをお任せするしかないので、医師との信頼関係はとても重要です。不安を抱えたままでは前向きになりにくい。私は幸い、すごくいい先生と巡り会えた。思うところがあるなら『戻ってくるかもしれません』とお伝えしつつ、セカンドオピニオンを受けてみるという選択もあると思います」

 家族の温かさや医師との巡り合わせを「ハッピーだった」と感じる一方、「なぜ自分が」と理不尽に思うことは幾度となくあったと振り返る。

「人間の細胞は体の中で絶えず分裂していて、遺伝子のコピーミスによってがんが生じると聞いたことがあります。私はお酒もたばこもやらないのに、なぜ何度もコピーミスが起こるのかと悔しくなったこともあります。だけどきっと、きっと、神様のいたずらなんでしょう。おこがましい言い方ですけど、生かされているいま、体力のある限り笑顔で元気に過ごして、講演などを通して経験を伝え、少しでも誰かの役に立ちたいと思っています」

【プロフィール】
仁科亜季子(にしな・あきこ)/1953年東京都生まれ。1972年学習院女子高等科在学中、NHKプロデューサーに女優をすすめられ、卒業後にドラマ『白鳥の歌なんか聞こえない』でデビュー。38才で子宮頸がんを宣告された後、計4か所のがんが判明。手術と治療を重ねながら今年で70才を迎えた。

※女性セブン2023年10月5日号

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