加藤式「降圧ストレッチ」入門編
「タオル」を使ってみる
まずは誰もがその場でできる「深呼吸」だ(図1)。腕を左右に広げながら、胸をそらして息を吸うのがポイントだ。
「そして、広げた腕を体の前でグーッと閉じて、小さくフーッと言いながら吐きましょう。吐く時に副交感神経が優位になるので、細く長く吐きます。これを1日3セットやるだけで血圧がグッと下がる効果が期待できる」
両ひじを90度くらいに曲げて行なう「肩回し」(図2)は、内回しと外回しを交互に行なう。
「呼吸をしながら、なるべくゆっくり、腕ではなく肩から大きくしっかり回すことが大事です。肩の筋肉を大きく伸び縮みさせる意識を持ちます。回数に決まりはなく、自分が気持ちいいと思えるくらいの回数で結構です」
胸を張って腕を後ろにグーッと回すストレッチ(図3)は、タオルを丸めたものを手に持って行なう簡易版を推奨する。
「痛みなどで両手を背中側で組むのが難しいという人が多いので、タオルを丸めて両手に持ち、届くところで無理なく実践しましょう」
心肺機能向上にいいジャンプ運動をより簡素にしたのが「オーバーアクション行進」(図4)だ。
「ジャンプは厳しいという人は、手を大きく振って、その場で行進してください。ひざを腰の上まで上げるよう意識するのがポイントです。まずは30秒くらいやってみて、できる人はどんどん増やしていきましょう」
加藤氏は「できる範囲で継続する」ことが最重要ポイントだと強調する。
「生活習慣改善には少しでも継続することが大事です。習慣づけていく生活を目指しましょう」
何もしない人が血圧降下を望むのは難しい。「継続は力なり」だ。
※週刊ポスト2023年10月6・13日号