ライフ

【この水滴も木彫りです】明治時代の伝統が進化して美を切り開く『超絶技巧、未来へ!』展の凄さ

【木彫】『吸水』(部分)福田亨 2022 黒檀、黒柿、柿、真弓、朴、苦木、柳、ペロバローサ 蝶の羽には天然木をはめ込み、着色は一切なし

【木彫】『吸水』(部分)福田亨 2022 黒檀、黒柿、柿、真弓、朴、苦木、柳、ペロバローサ 蝶の羽には天然木をはめ込み、着色は一切なし

 水滴の厚さは約2ミリ。板の表面を彫り下げて微細な水滴を浮き彫りにし、研磨して水の透明感や潤いを表現している。そしてなんと、蝶の羽の模様は着色しているのではなく、異なる色味の木をはめ込んでいるのである。

 作品が見られるのは三井記念美術館の「超絶技巧、未来へ!」展。美術史家・山下裕二氏監修「超絶技巧」シリーズ第3弾で、木彫、金工、漆工、陶磁、ガラス、水墨画、切り絵、ペーパークラフトなど、山下氏が見出した現代アートが揃う。

「17名の現代作家が緻密な技を究め、独自の感性で表現した、唯一無二の作品に度肝を抜かれます。『超絶技巧』のルーツである明治の名工の細密工芸と共に、進化する日本の凄技を体感してください」(山下氏)

■「特別展 超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」
会場:三井記念美術館
開館時間:10時~17時(入館は16時半まで)
休館日:月(10月9日は開館)、10月10日、
会期:11月26日まで
巡回展:12月8日~富山県水墨美術館、2024年秋以降に山口県立美術館、山梨県立美術館へ順次、巡回予定

撮影/太田真三 取材・文/渡部美也

※週刊ポスト2023年10月6・13日号

関連記事

トピックス

一般の人々が公務中の皇族を撮影することはマナー違反なのか。宮内庁に取材した(時事通信フォト)
《「非礼ではないか」の声も》宮内庁が回答した「一般の方々」の“撮影・投稿ルール” とは…佳子さま“どアップ”動画に称賛も、過去には“寝顔盗撮”が問題に
NEWSポストセブン
“ラブホテル通い”を認めた小川晶・前橋市長
《前橋市長が利用した露天風呂付きラブホ》ベッド脇にローテーブルとソファ、座ると腰と腰が密着…「どこにどのように着席して相談したのか」疑問視される“部屋の構造”
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《自分の身体で稼いだものだ》「タダで行為できます」金髪美女インフルエンサー(26)、離婚手続きで夫サイドと資産めぐり対立「一部が分配されるべき」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
「家に帰るのが幸せ」大谷翔平がリフレッシュする真美子さんとの“休日”「スーパーにお買い物に行ったり…」最近は警備強化で変化する「デコピンの散歩事情」
NEWSポストセブン
高市氏、小泉氏
自民党が進める“日本維新の会との連立交渉”に2つの壁 維新が連立条件に掲げる「大阪副首都構想」は自民党内の大きな火種に、大阪で対立する公明も強い難色
週刊ポスト
日本のエースとして君臨した“マエケン”こと前田健太投手(本人のインスタグラムより)
《国内復帰を目指す前田健太投手》「漂う関東志向」元アナウンサー妻がSNSに投稿した“東京の父”と慕うカープの大先輩との写真
NEWSポストセブン
草間容疑者は新宿区内の雑居ビルエントランスで逮捕された
《マスク姿でウロウロ…》草間リチャード敬太容疑者が逮捕前に見せていた“不可解な行動”とは 近隣店従業員が「一見酔っている様子はなくて…」と語る“事件直前の姿”
ハッシーが語った“転落”(本人SNSより、現在は削除済み)
性風俗店受付の面接を受け「なんでこんなことに…」人気棋士・ハッシーが法廷で語った離婚後の“転落”「公園で過ごすことも」【橋本崇載被告・公判】
NEWSポストセブン
アルゼンチンで女性3名が殺害される事件が発生した(Instagramより)
「性的パーティーに誘われて…」「左手の指5本と耳を切断」アルゼンチンで女性3名が殺害 “インスタ生配信”で凄惨現場を約45人が視聴《深刻化するフェミサイド》
NEWSポストセブン
総裁選に出馬した林芳正氏(時事通信)
「2時間ほどしていた」「紳士でした」“セクシーヨガ”と報じられた美人インストラクターが語る林芳正氏のスタジオでの姿
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
《クロスボウ殺人》母、祖母、弟が次々と殺され…唯一生き残った叔母は矢が貫通「息子は、撃ち殺した母をリビングに引きずった」【野津英滉被告・公判】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 朝日新聞を襲う「森友ブーメラン」スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 朝日新聞を襲う「森友ブーメラン」スクープほか
NEWSポストセブン