「私は女優」──たしかに女なら一度は言ってみたいかも。

「彼氏いるの?」と聞いて即座に「いない」と答えたのは、元タレントでいまは実業家として成功している50代初めの美人だ。イタリアンで忙しくスパゲティをたぐっている彼女に、「じゃあ、最後にエッチしたのはいつよ?」と聞いたら、「ええと、先週の土曜日、クルーズに誘われて海の上でそういうことになっちゃったのよ〜」だって。まぁ、彼女の場合、タレントとして活躍していた20代からそうだったことが言葉の端々からわかるんだけど、あまりにあっけらかんとしているから、聞いていてイヤな気持ちにならないんだよね。

 イヤな気持ちになったのは20年以上前のこと。

 取材でテレビ局の楽屋を訪れたときに、ある有名な20代後半のタレントと廊下ですれ違ったの。彼女の後ろに風采の上がらない初老の男がピッタリとくっついて、「こら、バカ女! 間抜け。アホ」と彼女を罵っているのよ。人前で彼女をおとしめていることがうれしくてたまらない様子。反対に女性タレントは何も聞こえないかのように俯いて反応しない。2人が所属タレントと社長の関係、というのはわかったけど、ただの関係でないことは誰の目にも明らかよ。

 もう1人、忘れられない人がいる。一時期仲よくしていた女優の卵のY子で、彼女は27才になろうとしていた。最初に会ったときはラジオ番組のパーソナリティーをしていて、次は深夜番組に進出できそう、と言っていたけど、そのうち仕事のことは言わなくなった。

 目が大きくて色白のタレント顔の彼女、「実は私、農業高校で有機農業の勉強をしていたんだよね」と言うの。そしてちょうどいま頃の季節だったのね。私が田舎から送ってきた新米を彼女にあげたら、いきなり生米を口に含んで「水分の多い米ですね」と言うんだわ。

 それから間もなくだ。「私、芸能界はもうムリだわ。あっちでシてこい、こっちでシてこいって、ムリ。気がおかしくなる」と生々しいことを言い出したの。そして言うだけ言うと、「田舎に帰ってふつうの結婚するよ。じゃあね」と去って行った。だからどうということじゃない。ある人にとって性行為は「なんてことないこと」なのは、芸能界に限ったことじゃないしね。

 ちなみに、冒頭の元ジャニーズ関係者はなんと言ったか。彼は70代初めの舞台関係者で、子供の頃、児童劇団に所属していた。

「たしかに小児性愛は加害だし犯罪だけど、誰かが選ばれて誰かが選ばれない世界にいる子供は、知らず知らずのうちに競い合いに巻き込まれるんだよ。自分の体験から言うけど、芸能界は子供に有害でしかない。大人になってから本人の意志で入るところだよ」

 気の持ちようでいくらでも軽くなりそうに思えるけれど、やっぱり軽いままでは終わらないんだよね。ちなみに彼自身は「(性被害を受けた経験は)ないッ……かな?」だって。

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

※女性セブン2023年11月9日号

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