改発氏がこう慮る。
「前回は2003年にリーグ優勝を果たした星野(仙一)の直後で、星野の遺産で野球をしなければいけなかった。選手も金本(知憲)、矢野(燿大)、下柳(剛)、伊良部(秀輝)と完成されたベテランばかりで、教えようにも指導が難しかった。それが今季は、1年目の森下(翔太)や、ブレイクした村上(頌樹)のような若手を存分に教えられますからね」
陽子さんも頷く。
「自分の子供よりも若い選手とのコミュニケーションが心配でしたが、主人のほうが若い選手の成長に元気をもらっています。あとは、孫ができたことも大きかったかもしれません。優しい甘い声を出すなど、おじいちゃんとして孫をあやす経験をして、若い子との対話に役立っているんじゃないかと思います。
主人も若い頃は子供を球場に連れていきにくかったのだと思いますが、今は孫をベンチに入れて写真まで撮っています(笑)。自分の時間はほとんどないですが、休日には『VIVANT』や『相棒』など好きなドラマで気分転換をしています」
「語録」になるほどの岡田氏の“トーク力”は家庭でも変わらないようだ。
「ユニークな発言? それは現役時代から変わりません。主人はお笑いが好きだし、日頃から面白いことを言っていますよ。家の中でもつまらないことを言うのが一番ダメという空気があります。ストレートではなく、少しひねった変化球を投げてきて、『(面白さが)わからんのこれ……』みたいな顔を見せたりしながら、会話を楽しんでいます」
家庭での安らぎも、岡田氏の活力の源なのだ。