買い控える商品が増えた(イメージ、AFP=時事)
物価高に消費が追いつかない、直近の調査でもスーパーの食品数量は下がり続けている。これまで買い支えていた層が徐々に「消費」の面で脱落し始めている。物価高についていけない家庭は下から順繰りに見放されようとしている。食料品高騰でエンゲル係数は過去43年間でもっとも高い29%となった(2022年9月~2023年8月、総務省「家計調査」)。つまるところ、単純比較とはいえ1980年(29.3%)に戻ったということになる。
「1980年は私も子どもでしたが税金はいまより安かったし、未来は輝いていたじゃないですか、落ちるばかりのいまとは違いますよね。消費税もありませんでした」
お金も時間も減って、物価が高くて忙しい
なんだかしんみりしてしまったが、以下にお客様の中でお話いただいた方々のコメントを挙げる。
「自分で料理するとコスパ悪いからね、手取りも安くて時間拘束の長い私にとって自炊は贅沢だよ。副業とかで時間のない会社員も増えてるし、独身なら半額弁当で十分だ」(60代、会社員兼アルバイト)
「いつも通りに買い溜めしても1万円超えるようになりました。1回あたり1000円とか、2000円くらい上がってるように思います。月あたりで考えると1万円以上多く払う感じですね。なるべく油とか調味料とか減らしたり、代わりのもので済ますようにしています」(家族4人、40代パート女性)
「買い控える商品が増えましたね、海苔とか、鰹節とか、ふりかけとか。パスタならバジルやタバスコ、パルメザンチーズなんかも。あったら嬉しいけど高いし、まあ、困るものではないですし」(家族3人、30代会社員女性)
「なるべく買わないことですね。安いものを選ぶのではなくなるべく買わない。使うお金を減らすしかないですよ。これまでもそういう生活でしたけど、最近はちょっと怖いなと思います。減らしきれなくなるんじゃないかって」(30代会社員女性)
「時間も減ってるって書いて欲しいです。仕事はそれぞれなんでしょうけど、みんな使える時間も減ってると思います。お金も時間も減って、物価が高くて忙しい感じ。人手不足なのもあるんでしょうけど、会社の先輩の話とか聞くと昔のほうが時間も余裕があったって言ってます」(20代会社員男性)
「高いものは高いままで、安いものが上がってる感じです。定価で何でも買える人とか羨ましいですね、お金持ってそうな高齢の方とか値段も見ずにカートいっぱいに買い物してますもん、高そうなお肉とか、高齢者でも全員がそうではないのでしょうけど」
それぞれにそれぞれの事情があって夜のスーパーを訪れている。中には「値段は同じでも中身が減っている、ウインナーとか少なすぎる」という意見もあった。メーカーも厳しい生き残りの中にある。