──歌える準備はしていたんですか?
「全くなかったです(笑い)。それでも28年ぶりのライブはアドレナリン全開で会場も大盛況でした。当時のファンや親衛隊の人たちも来てくれて、立ち見も含めて会場はぎっしりでした。
息子と同じ年代のお客さんも何人か来ていて、YouTubeで私のデビュー曲『硝子のキス』を知ってくれたらしいんです。『めぞん一刻』を好きな人が映画の主題歌を検索してくれることもあるみたいですね。
その後、コロナの影響で一年近く休みましたが、去年と今年もライブを行い、シングルも出させてもらいました。母親になった後もこうして歌わせてもらえることが、自分でも信じられないし、子供たちも驚いています。
実は来年発表するアルバムのレコーディングも、すでに終わっているんですよ。ライブのスケジュールも決まって場所も押さえてあるので、その話も今回のライブ(10月27日、29日)で発表できました。
今も昔も、プロデューサーは川瀬さんです。新しく挑戦したのは日本語の歌詞を英語にして歌う『MAGIC』という曲なんですが、これが難しいんですよ。英語ってストレートに表現するとすんごい長くなっちゃうし、文章の中のこの言葉の色は絶対に変えたくないとか、こだわっちゃうとキリがない。主人にも見てもらったんですけど、なかなか理解してもらえませんでした(笑い)。
孫ができて、おばあちゃんになったけど、今も新しいことにチャレンジして、発見があるというのは素敵なことですよね。ファンの方に『リカさんに励まされました』って言われることもすごく嬉しい。これからも、自分がインパクトを与えられるよう、常に前に向かって行きたいと思っています」
【プロフィール】
姫乃樹リカ(ひめのぎ・りか)/1971年10月6日、大分県生まれ。1986年、雑誌『Momoco』の初登場を機に『モモコクラブ』(TBS系)にレギュラー出演。桃組の出席番号は1773番。1988年、『硝子のキッス』で歌手デビュー。1995年、語学留学で渡米後、ミュージシャンのデイヴ・クリッガーと結婚。現在も米・バージニア州に暮らし、3人の子どもと2人の孫がいる。2019年、『姫乃樹リカ &THE COMING SOON!』として音楽活動を再開。今年9月に新曲『Love Song〜僕たちの歌』をリリースした。