芸能

日テレ退社の笹崎里菜アナ、騒動を乗り越えて見せた実力 入社直後から“ワイプ芸”は完璧、社内では応援の声多かった

年内で退社することがわかった日テレの笹崎里菜アナ(インスタグラムより)

年内で退社することがわかった日テレの笹崎里菜アナ(インスタグラムより)

 日本テレビの笹崎里奈アナウンサー(31才)が年内で同局を退社することがわかった。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが笹崎アナの魅力について解説する。

 * * *
「《銀座ホステスバイトで内定取り消し訴訟の過去》“冷遇””干された”逆境から第一線へ」と見出しをつけたNEWSポストセブンの記事はたいへんよく読まれていたようだ。読者の皆さんが、「あぁ、あのときの…」と“騒動”を思い出したからに他ならない。

「あれはウチ(の対応)が良くないよなぁ」「なんとか応援してやらないと…」とは知り合いの制作スタッフが言っていたことだ。当時から局内には“味方”がいたのである。

 だが、そうした声よりも世間からのバッシングのほうが圧倒的に大きかった。彼女が日テレを相手取って訴訟を起こしたことだけが切り取られ、アナウンサーとしての実力を見てもらえないまま、「嫌いなアナウンサー」として次々記事化されていったのだ。

 あまりにも気の毒に感じ、笹崎アナが同期の尾崎里紗アナや平松修造アナと共に大先輩の豊田順子アナ(当時)から研修を受けている模様を追った『1億人に大質問!?笑ってコラえて!』についてNEWSポストセブンで書いたのは2015年6月29日のことだった。

 豊田アナから自らの名字「笹崎」が正しく発音できていないことを指摘され、「舌の力が弱い」「(トレーニングを)サボっている」などと厳しい指導を受けていた笹崎アナ。それでも懸命に食らいついていく様子に私は好感をもった。

記事を読んだ笹崎アナが「ありがとうございます」

 続いて、『スッキリ』に同期3人で出演した際にはMCの加藤浩次から「色々あったから…」と早速イジられた。それでも顔色一つ変えず「がんばります!」と言ってのけた笹崎アナを「さすがにハートが強い」と褒めて書いたのである。

 同日の『スッキリ』ではその後、最新グルメを紹介するVTRを同期3人で見ることになったのだが、笹崎アナの“ワイプ芸”は秀逸だった。ワイプで抜かれているのをわかりながら、隣の平松アナに話しかけたり談笑したりしていた笹崎アナ。モニターに目線を落としすぎず、カメラに顔を抜かせ、表情だけで想いを伝えなければならない“ワイプ”は新人アナウンサーにとっては決して容易い芸ではないのだが、笹崎アナは最初から完璧だったのである。そのことも書いたところ、後に日テレ局内ですれ違った彼女から「ありがとうございます」と声をかけられ驚いた。「また、けなされているのかと思ったんですけれど……、褒めていただいていて驚きました」と苦笑しながら礼を伝えてきた彼女に対し、冒頭の制作スタッフたちのように「応援してあげないと」と思ったものである。

 その後の笹崎アナは共演者やスタッフに恵まれた。たとえば2015年9月から3年間出演した『シューイチ』だ。同番組のMCは中山秀征。大人数の共演者やスタッフを一つにまとめ、若手や知名度の低い者を少しでも押し上げようとしてくれるタレントの筆頭だ。

 また笹崎アナといえば、『ものまねグランプリ』の進行アシスタントというイメージも強い。同番組の総合演出もまたハートのあるスタッフ。さらにニュースコーナーの“女子アナいじり”に定評がある宮根誠司と『情報ライブ ミヤネ屋』でも共演していた笹崎アナは、社内で決して孤独ではなかったはずだ。

 当たり前のことだが、同期のアナウンサーというのは男性でも女性でも異なるタイプが採用される。これがラジオ局となれば“声”の特徴がかぶらないことも条件になるが、ラジオと兼営ではない日テレの場合は、“顔”や“タイプ”が異なることが採用時の大きなポイントとなるようだ。

「ミス東洋英和」であり、「Miss of Miss Campus Queen Contest2011」ではファイナリストとなっている笹崎アナ。他局と比較して“ミスキャンパス率”がそれほど高くはない日テレにあって、華あるルックスの彼女の将来に期待を寄せる制作スタッフもまた少なくなかったのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト