LIPUSによるアルツハイマー病の治療イメージ
そして、2018年から早期アルツハイマー病の患者に医師主導探索治験を開始。
こめかみに照射器具を装着し、1回60分の治療を週3回行なった。それを1クールとし、3か月間隔で計6クールの照射を実施した。第1部で安全性を確認、第2部では記憶力を主要評価項目として22人に実施したところ、認知機能低下の抑制効果が認められ、他に記憶力が改善するレスポンダーも約5割に認められたのだ。
「この結果を基に、LIPUS治療機器は昨年9月に厚労省から『先駆的医療機器』第1号の認定を受けました。本年9月からは全国17の医療施設で、220人を対象にした検証的治験がスタートし、2027年の承認を目指しています」(下川教授)
目下、この治験の被験者を募集中だ。参加希望の方はサウンドウェーブイノベーション社のHPを参照のこと。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023年12月15日号
下川宏明/東北大学名誉教授・国際医療福祉大学教授