そして父の泰明氏が前回総選挙(2021年10月31日投開票)で引退すると、晋氏が地盤を継いで埼玉10区で当選した。

 疑惑はこの世襲選挙をめぐるものだ。総選挙1か月前の同年9月30日、山口父子が経営する坂戸ガスが、地元の坂戸市に1000万円、鶴ヶ島市に350万円、鳩山町に150万円と、選挙区内の3自治体に総額1500万円を寄附したのだ。

 坂戸市の担当者は総選挙直後、本誌の取材に経緯をこう語っていた。

「坂戸ガスの50周年記念事業の一環として寄附をいただいた。振り込みが9月30日。寄附を受けることを決裁したのは市長です」

 地元では坂戸市長は泰明氏と近い山口陣営の有力者として知られ、現在も「地盤を継いだ晋氏と毎月のように会合を持っている」(地元政界関係者)と言われる人物だ。

 他の2市町も同じ日に坂戸ガスから寄附を受けていた。それを受けて鶴ヶ島市は寄附の「贈呈式」を行ない、市長はブログで泰明氏とのツーショット写真とともに紹介(後に削除)。鳩山町も広報誌で町民に寄附を告知した。

 その1週間ほど後、衆院解散が確定的となったことを受けて同選挙区の有権者に新聞折り込みなどで配布された自民党機関紙『自由民主』の号外には、候補者である山口氏のガッツポーズの写真と、父・泰明氏の「山口すすむが、継承します」という紹介文、さらに寄附を受けた坂戸市の市長、鶴ヶ島市長、鳩山町長ら選挙区内の首長らの写真がズラリと並び、こうメッセージが書かれていた。

「地域の発展のため山口すすむ支部長の力が必要です」

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